トップ>不動産トピックス>働くママ世帯と専業ママ世帯で、新築マンション購入検討期間に1.8ヶ月の差
(株)博報堂は、このたび「働くママ世帯と専業ママ世帯の『首都圏のマンション選び』に関する調査レポート」を発表した。妊婦から9歳以下の子どもを持つ家族を対象とした調査・研究プロジェクトである博報堂BaBU(Baby & Family Business)プロジェクトが、平成22年10月1~7日にインターネット上で「新築マンション購入に関する実態と意識調査」を実施し、結果を分析したもの。調査対象は、首都圏(東京都・埼玉県・神奈川県・千葉県)の共働き世帯(男性162名、女性193名)と専業主婦世帯(男性204名、女性206名)で、いずれも末子年齢は小学生以下に限定。働くママ世帯(既婚子ありで夫婦ともに定職を持つ世帯)と専業ママ世帯(既婚子ありで夫は定職者、妻は専業主婦世帯)の回答を比較したところ、購入価格の平均値、購入検討期間などで特徴的な違いが見られた。
購入検討期間の平均は、働くママ世帯は8.2ヶ月で、専業ママ世帯の6.4ヶ月より1.8ヶ月長かった(表1)。資料請求件数、モデルルーム訪問・内覧件数も、働くママ世帯の方が専業ママ世帯より多く、同社では「念入りに検討している様子がうかがえる」と見ている。
物件購入価格の平均は、働くママ世帯は4,694万円、専業ママ世帯は3,902万円で、792万円の差があった。また、住宅ローンを組んだ人(全体の94.9%)を対象にローンを組んだ金額を聞いたところ、働くママ世帯では平均3,457万円、専業ママ世帯では平均3,005万円で、「ローン金額でも一定の開きが生じる」結果となった 。
働くママ世帯 | 専業ママ世帯 | |
---|---|---|
購入検討期間 | 8.2ヶ月 | 6.4ヶ月 |
資料請求件数 | 5.2件 | 4.9件 |
モデルルーム訪問・内覧件数 | 4.2件 | 3.8件 |
※(株)博報堂 「働くママ世帯と専業ママ世帯の『首都圏のマンション選び』に関する調査レポート」
物件選びのポイントを見てみると、働くママ世帯では、「物件購入重視ポイントとして、『最寄り駅までの所要時間』が4位、『パパの通勤時間』が6位、『ママの通勤時間』が8位と、通勤時間に関する項目が全て上位にランクイン」した(表2)。実際に購入したマンションからの平均通勤時間は、働くママ世帯42.1分(夫婦ともに集計)、専業ママ世帯52.3分(夫のみ集計)と、10分以上の差が生じる結果となり(図1)、同社では「共働きならではの通勤時間に対するプライオリティーの高さがうかがえる」としている。
また、マンションにあるとうれしい設備については、いずれも「ウォークインクローゼット」「納戸・トランクルーム」「床暖房」がベスト3に挙がった。一方、働くママ世帯と専業ママ世帯で差分が大きいものを見ると、働くママ世帯では、「フルオートバス」「非接触型キー」のほか、「インテリア用間接照明」「調光機能付き照明」「人感知センサーライト」といった「“ライティング設備”に対するポイントが、専業ママ世帯と比べより高く出る結果」となった。専業ママ世帯では、「床暖房」「24時間換気システム」「スロップシンク※」のほか、「押入れ」「リビングダイニング物入れ」といった「“実用的な収納設備”に対するポイントが、働くママ世帯と比べより高くなっている」。
※ユーティリティやバルコニーなどに設置される底の深い流しのこと
働くママ世帯 | 専業ママ世帯 | |||
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1 | 立地エリア | 70.7% | 立地エリア | 79.3% |
2 | 間取り | 67.3% | 間取り | 71.0% |
3 | 広さ(数など) | 61.4% | 物件価格 | 61.7% |
4 | 最寄り駅までの所要時間 | 56.9% | 最寄り駅までの所要時間 | 60.7% |
5 | 物件価格 | 53.0% | 広さ(数など) | 59.8% |
6 | パパの通勤時間 | 47.0% | パパの通勤時間 | 48.0% |
7 | 方角 | 44.5% | 駐車場の有無 | 43.9% |
8 | ママの通勤時間 | 42.0% | 方角 | 42.0% |
9 | 日照状況 | 38.6% | 物件周辺の環境 | 39.8% |
10 | 物件周辺の環境 | 36.1% | 日照状況 | 36.6% |
(株)博報堂 「働くママ世帯と専業ママ世帯の『首都圏のマンション選び』に関する調査レポート」