トップ>不動産トピックス>ガス給湯器「エコジョーズ」は販売拡大、電気式「エコキュート」は前年実績から減少
(株)矢野経済研究所は平成22年10月6日に、「家庭用給湯器(ガス、電気式)市場に関する調査結果 2010」を発表した。平成22年6~8月に、住宅設備機器メーカー、流通事業者等を対象として調査を行ったもの(文献調査も併用)。
給湯器の熱源には、都市ガス・LPガス等のガス、電気、石油、太陽熱等の様々な種類があるが、近年は、「“オール電化”というキーワードのもと、給湯器の分野においても、電力の占める割合が増加してきている」という。今回の調査結果では、ガス給湯器と電気式給湯器、それぞれの市場動向についてまとめている。
同研究所によると、ガス給湯器の近年のトレンドは、「高効率商品・環境対応型商品へのシフト」であるという。中でも、「ガスの燃焼で発生する排ガスの熱を回収し、再度加熱に利用することで熱効率を高めた給湯器である『エコジョーズ』は、当面の中核商品となる」とみられる。「エコジョーズ」は、販売実績が年々拡大しており、平成21年のメーカー出荷台数は39万9,000台(図1)、これはガス給湯器市場の17.1%を占めている。平成22年は44万台(同18.0%)の見込み。
※(株)矢野経済研究所 「家庭用給湯器(ガス、電気式)市場に関する調査結果 2010」(平成22年10月6日発表)
電気式給湯器市場では、「近年は社会的な環境意識の高まり、行政による環境施策や電力事業者・機器メーカーの注力等もあり、エネルギー効率が高く省エネ性に優れたヒートポンプ式の『エコキュート』の普及が急速に進んでいる」という。「エコキュート」のメーカー出荷台数は、これまで増加を続けてきたが、平成21年の実績は前年比99.4%の49万2,000台(図2)。同研究所は「新設住宅着工数の落ち込み及び景気の低迷が影響した」と見ている。
今後の見通しについて、同研究所では、給湯器市場全体は「景気の回復に伴って、経年による買い替え需要を中心に徐々に回復していく」と見ているが、「新設住宅着工数の大幅な拡大が見込み難い現状では、将来にわたって市場が大きく伸長するとは期待しにくい。そのため、当面は微減~微増を繰り返しつつ推移していく」と予測している。
※(株)矢野経済研究所 「家庭用給湯器(ガス、電気式)市場に関する調査結果 2010」(平成22年10月6日発表)