トップ>不動産トピックス>老後の住まい、不安点は「老朽化」、理想はワンフロアーで生活できる「平屋」
(株)住環境研究所はこのたび、「老後の理想の住まい」調査の結果を発表した。平成22年8月に、全国の55~69歳の男女を対象として、インターネットによるアンケート調査を実施し、639票(男性49.8%、女性50.2%)の有効回答を得たもの。回答者の年齢帯は55~59歳が31.6%、60~64歳が34.1%、65~69歳が34.3%。住居形態は、持ち家一戸建てが26.4%、持ち家マンションが26.4%、賃貸一戸建てが29.6%、賃貸マンションが6.1%、その他が11.4%だった。なお、調査結果は、平成18年にも実施した同調査との比較のため、年齢帯を55~65歳に絞って集計を行っている。
老後の住まいにおける不安点を聞いたところ、1位は「住まい全体の老朽化」(63.0%)、次いで「設備の老朽化」(53.0%)、「地震が心配」(34.0%)、「バリアフリー仕様ではない」(33.0%)、「維持管理にかかる経費」(30.0%)となった(図1)。
同研究所の前回(平成18年)調査比較によると、「増加が目立つのが、『住まい全体の老朽化』(16ポイント増)、『冬の寒さ』(10ポイント増)、『維持管理する手間』(9ポイント増)、『設備の老朽化』(8ポイント増)」だという。居住形態別に見ると、持ち家一戸建てでは「『住まい全体の老朽化』『維持管理にかかる経費』『維持管理にする手間』が他の住居形態に比べてポイントが高くなっており、老朽化による維持管理が不安要素になっている」と分析している。
※(株)住環境研究所 「アンケート調査『老後の理想の住まい』(2010)について」
老後の理想の住まいについて聞いたところ、1位は「平屋(1階建て)」(46.9%)、次いで「マンション」(32.5%)、「一戸建て(2階建て以上)」(18.9%)となった(図2)。前回調査と比較すると、「平屋(1階建て)」が5.9ポイント、「一戸建て(2階建て以上)」が2.5ポイント増加。逆に、「マンション」は6.9ポイント減少しており、同研究所は「平屋の人気が上昇」と分析。「平屋(1階建て)」のメリットとしては、「ワンフロアーで生活できる」(66.0%)、「階段の上下移動がない」(64.0%)、「庭が楽しめる」(60.0%)、「日当たりがよい」(57.0%)、「通風がよい」(52.0%)が上位に挙がっている。
また、老後の暮らしの意識について聞いたところ、1位は「維持管理が楽な暮らし」、次いで「光熱費など生活上の経費がお得な暮らし」、「健康に配慮し、いつまでも若々しく暮らす」となった。前回調査では「健康に配慮して、いつまでも若々しく暮らす」が1位だったが、同研究所では「経済的な視点、快適な生活を重視するように変わってきた」と見ている。
※(株)住環境研究所 「アンケート調査『老後の理想の住まい』(2010)について」