トップ>不動産トピックス>新築マンション年収倍率は依然として高く、全国平均6倍。東京都は10倍を超える
(株)東京カンテイはこのたび、「都道府県別 新築マンションの年収倍率」を発表した。年収倍率とは、新築マンションの分譲価格(70㎡換算)を、内閣府のデータに基づき算出した平均年収で割ったもので、新築マンション価格が年収の何倍に相当するかを示す。
年収倍率が低いほど新築マンションは買いやすく、逆に高いほど買いにくくなる。このたび発表したのは、平成20~21年における全国の年収倍率の推移。
平成21年の全国における年収倍率は、前年の6.02倍より0.02ポイント縮小し、6.00倍となった(表)。年収倍率が縮小に転じたのは5年ぶりで、同社では「平均年収が横ばいとなる中で新築マンション価格が僅かに下落した結果」と分析している。しかし、平成15年に同社が集計を開始して以降、ピークとなった前年とあまり差はなく、「依然として高い水準に留まっている」という。
圏域別に見ると、首都圏(東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県)は8.17倍(前年比0.45ポイント拡大)で、直近のピーク値である平成19年の7.77倍を上回る結果となった。特に東京都は10.02倍で、全国で唯一、10倍を超えている。
中部圏は5.90倍(同0.20ポイント拡大)で、新築マンションの価格調整がやや進んだ愛知県は5.65倍。全国平均の6.00倍を下回っており、「新築マンションの買いやすさは維持している」。
近畿圏では新築マンション価格が下落し、年収倍率は6.80倍(同0.13ポイント縮小)となった。大阪市中心部でタワーマンション等の新築物件が供給され、価格も上昇したが、平均年収も同程度上昇したことから、大阪府では前年とそれほど変化がなく6.98倍(同0.01ポイント縮小)だった。
同社では、「三大都市圏での平均年収は総じて微増となったが、首都圏や中部圏では新築マンション価格の上昇率がそれを上回った」と分析している。
表:新築マンション価格の年収倍率推移
平成21年 | 平成20年 | |||||
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年収倍率 | 平均年収(万円) | 70㎡価格(万円) | 年収倍率 | 平均年収(万円) | 70㎡価格(万円) | |
首都圏 | 8.17 | 549 | 4,486 | 7.72 | 547 | 4,219 |
埼玉県 | 7.44 | 469 | 3,489 | 7.35 | 463 | 3,398 |
千葉県 | 6.17 | 571 | 3,521 | 5.64 | 575 | 3,247 |
東京都 | 10.02 | 612 | 6,132 | 9.11 | 610 | 5,561 |
神奈川県 | 8.82 | 544 | 4,800 | 8.67 | 539 | 4,669 |
中部圏 | 5.90 | 449 | 2,648 | 5.70 | 447 | 2,550 |
岐阜県 | 6.50 | 372 | 2,417 | 6.22 | 367 | 2,280 |
静岡県 | 6.23 | 454 | 2,830 | 5.64 | 454 | 2,562 |
愛知県 | 5.65 | 507 | 2,863 | 6.00 | 507 | 3,043 |
三重県 | 5.37 | 462 | 2,482 | 5.03 | 460 | 2,315 |
近畿圏 | 6.80 | 476 | 3,236 | 6.93 | 474 | 3,290 |
滋賀県 | 5.69 | 435 | 2,477 | 5.93 | 430 | 2,552 |
京都府 | 8.65 | 479 | 4,142 | 9.16 | 478 | 4,375 |
大阪府 | 6.98 | 519 | 3,621 | 6.99 | 514 | 3,587 |
兵庫県 | 7.69 | 461 | 3,546 | 7.98 | 456 | 3,636 |
奈良県 | 5.54 | 518 | 2,869 | 5.91 | 518 | 3,060 |
和歌山県 | 6.20 | 446 | 2,763 | 5.60 | 452 | 2,530 |
全国 | 6.00 | 440 | 2,640 | 6.02 | 440 | 2,648 |
※(株)東京カンテイ 「新築マンション価格の年収倍率」より抜粋