トップ>不動産トピックス>コミュニティ活動が活発なマンションでは管理状態も良好
国土交通省国土交通政策研究所は、このほど、「マンションの維持管理およびコミュニティに関するアンケート調査」の結果を発表した。平成20年11月28日~平成21年2月1日に、民間のマンションデータベースから抽出した分譲マンションの管理組合にアンケート調査を実施したもので、回答のあった1,094件の結果をまとめたもの。
※マンションタイプを、小規模型(1棟かつ6階以下、18階以下の場合は50戸以下)、中・大規模・高層型(7階以上18階以下かつ51戸以上)、団地型(2棟以上かつ6階以下、18階以下の場合は50戸以下)、超高層型(19階以上)の4タイプに分けて集計
マンション内の居住者同士によるコミュニケーションの傾向としては、「あいさつを交わす」「顔が分かる」といった一般的な付き合い方が多くの世帯で見られることが分かった。一方、「一緒に遊ぶことがある」「重要な相談やお願いができる」といった密接な付き合い方は、マンション内で見られる割合が低くなる(図1参照)。
コミュニケーションの状況はマンションタイプによって差があり、小規模型では、「あいさつを交わす」などの一般的な付き合い方が「多くの世帯で見られる」とした割合が他のタイプよりも高い反面、「一緒に遊ぶことがある」といったより密接な付き合い方は他のタイプよりも低くなるという。また、「重要な相談やお願いができる」という付き合い方は、いずれのタイプにおいても「多くの世帯で見られる」割合は低いが、「一部の世帯で見られる」まで含めると、団地型が他のタイプよりも高くなる。
図1:居住者同士のコミュニケーションの度合い
※国土交通省国土交通政策研究所「マンションの維持管理およびコミュニティに関するアンケート調査」
集会室や会議室、広場などの共用施設があるマンションでは、コミュニティ活動(夏祭りや清掃活動などのイベント行事)が活発なことが分かった(図2参照)。マンション内の共用施設としては、「集会室・会議室(63.8%)」、「ロビー(55.7%)」、「趣味・娯楽室(15.2%)」、「ラウンジ・喫茶室(11.4%)」、「キッズルーム・託児室(11.2%)」が挙げられる。他にも敷地内のオープンスペースとして広場を保有しているマンションもあり、こうした集いの場が身近にあることがコミュニティ活動の活発さに繋がっているようだ。
※( )内の数値は施設の保有割合
図2:集会室・会議室の有無とコミュニティ活動の活発さの関係
※国土交通省国土交通政策研究所「マンションの維持管理およびコミュニティに関するアンケート調査」
(中・大規模・高層型における結果のみ抜粋。他のタイプについても類似の結果が見られる)
管理組合の役員会や理事会の開催について見てみると、「いずれのマンションタイプも、管理組合の理事会の開催頻度が多いマンションほど、コミュニティ活動が活発」と言える(図3参照)。
また、理事の選出が困難、管理組合の活動に無関心な区分所有者が増加しているなどの管理組合を運営する上での課題と、住人同士のコミュニケーション(あいさつを交わす、顔が分かるなど)との関係では、コミュニケーションが活発なほど課題が少ないという。
図3:役員会・理事会の開催頻度とコミュニティ活動の活発さの関係
※国土交通省国土交通政策研究所「マンションの維持管理およびコミュニティに関するアンケート調査」
(中・大規模・高層型における結果のみ抜粋。他のタイプについても類似の結果が見られる)