トップ>国土交通省・最新の動き>VOL.85 平成26年度「中古不動産取引における情報提供促進モデル事業」について
2015年12月09日
国土交通省では、平成24年度から平成26年度において、宅地建物取引業者(以下、宅建業者)がインスペクション業者やリフォーム業者等の中古不動産取引に係る関連事業者と連携した体制を構築し、ワンストップのサービス提供を行うビジネスモデルを検討する取り組みを支援してきました。
平成26年度は、中古不動産取引における消費者への情報提供の充実を図ることを目的に、宅建業者等による「売主の情報開示」・「買主の情報収集・解釈」の補助等に係る先進的な取り組みを支援する「中古不動産取引における情報提供促進モデル事業」(※1)の公募を実施し、全国17協議会を採択し活動を支援しました。今回は、平成26年度の取り組み活動についてご紹介します。
※1「中古不動産取引における情報提供促進モデル事業」に関する背景や目的、取り組み概要の紹介についてはVol.71参照
図:17協議会のエリアについて
全国17協議会において消費者への情報提供に関する様々な取り組みが見られましたが、大きく以下の2つに分けることができます。
17協議会の取り組みでは、「情報提供のタイミング」、「情報の内容」、「情報伝達の媒体(主体)」において、特徴が見られました。
【情報提供のタイミング】
情報の提供のタイミングによって、その情報がもたらす効果も異なると想定されることから、各協議会で検討が行われました。
・売却・購入の発意の段階
・販売開始時
・販売開始~購入申込時
・購入申込~売買契約締結時
・売買契約締結~引き渡し時
【情報の内容】
インスペクション等により生成された物件の性能情報だけでなく、様々な情報伝達の取り組みが行われました。
・制度・商品が利用可能であることの情報
・付加価値物件であること、具体的な付加価値情報
・情報収集の発意を促す情報
・制度・商品の具体内容・取引において必要な知識・情報
・物件情報に加えて、近隣物件比較情報、生活関連情報
【情報伝達の媒体(主体)】
宅建業者等の「人」だけでなく、ロゴマークや認定書等により、検査された物件であることや、付加価値のついた物件を取り扱っている店舗であること、一定の研修を受講して認定を受けた事業者であること等を「見える化」することで消費者に情報を伝達する取り組みが行われました。
また、情報伝達者としての「人」についても、宅建業者やインスペクターなど、連携体の中での様々な立場の構成員が情報を生成し伝達する主体となる取り組みが行われました。
平成27年度は(公財)不動産流通推進センターの「安心な中古住宅取引普及促進事業」(※2)において安心な中古住宅取引の普及促進に向けて、宅建業者とリフォーム、インスペクション等の関連事業者が連携して取り組む全国13事業者が採択されております。
※2詳しくは、「安心な中古住宅取引普及推進事業のご紹介」を参照ください。
国土交通省においては、事業者間連携における取り組みを踏まえた上で、消費者が安心して取引を行うことができる中古住宅流通市場の整備のために、中古住宅売買における媒介時に宅建業者が行う連携業務のあり方について、新たな取引モデルの策定も視野に入れながら、検討を進めていきます。
※執筆の内容は、2015年11月末時点によるものです。