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「ITを活用した重要事項説明に係る社会実験の開始」について。ITを活用した重要事項説明を社会実験として試行し、結果を検証

2015年8月12日

Report
国土交通省 土地・建設産業局 不動産業課
 

宅地建物の取引は、権利関係や取引条件が極めて複雑になることが一般的であり、それらを十分に調査、確認しないで契約を締結すると、当初予定していた利用ができなかったり、不測の損害を被ることとなります。
そこで、宅地建物取引業法では、購入者等が宅地建物に係る権利関係や取引条件等について十分理解して契約を締結できるようにするため、宅地建物取引業者に重要事項の説明義務を課しているところです。この重要事項説明については、現在「対面」で行うこととされていますが、ITを活用することで移動コスト等が削減できるとの意見も踏まえて、検討を行った結果、「ITを活用した重要事項説明」を実施することについて社会実験を行うこととなりましたので、ご紹介します。

社会実験の概要

「ITを活用した重要事項説明」に係る社会実験の概要は以下のとおりです。通常の重要事項説明と異なる取り扱いがありますので、ご注意ください。

○社会実験に参加する宅地建物取引業者
事前に国土交通省に参加登録をした宅地建物取引業者のみが「ITを活用した重要事項説明」を行うことができます。登録されている宅地建物取引業者については、以下のリンク先にて確認することができます。
【報道記者発表資料・別紙】登録事業者リスト

○社会実験の対象
社会実験の対象とする取引は賃貸取引と法人間取引です。個人を売主又は買主とする売買取引は対象外です。

○社会実験に用いることができるツール
社会実験に用いることができるツールは、テレビ会議やテレビ電話など、動画と音声を同時にかつ双方向でやり取りできるシステムとなっており、メールのみで重要事項説明をすることはできません。

○社会実験の具体的な実施方法、手順
社会実験においては、通常の重要事項説明と異なり、登録事業者と消費者等(ここでは説明の相手方のことをいい、法人も含む)は主に以下の手順に従う必要があります。

【重要事項説明前の責務】
 登録事業者は、事前に重要事項説明書を送付すること
 登録事業者と消費者等及び貸主又は売主の間で同意書を作成すること
 登録事業者は、同意確認にあたっては、社会実験であること、対面かITを選べること、録画・録音されること、録画・録音された情報が必要に応じて国に提供されること、事後にアンケートがあること等を説明すること  

【重要事項説明中の責務】
 登録事業者は、消費者等が見えやすい、聞き取りやすい環境にあるかを事前に確認すること
 登録事業者は、消費者等に宅地建物取引士証を提示するとともに、記載内容を読み上げること。また、消費者等が宅地建物取引士証を確認した旨等を、口頭で確認すること
 登録事業者は、消費者等に、同意書の内容を再度説明し、「ITを活用した重要事項説明」について同意すること等を口頭で確認すること
 登録事業者は、重要事項説明の間、録画・録音を行うこと 

【重要事項説明後の責務】
 消費者等は、重要事項説明直後と契約から半年後の2回のアンケートを回答すること
 貸主又は売主及び管理業者は、契約から半年後のアンケートを回答すること
 登録事業者は、トラブル及びクレームがあった場合は全て国土交通省に報告すること  

○社会実験のロゴマーク及びフレーズ
消費者等に「ITを活用した重要事項説明」を実施することができる物件であると、視覚的に認識していただくために、国土交通省において「ロゴマーク」と「フレーズ」を作成しました。「ロゴマーク」と「フレーズ」は、ポータルサイトの物件紹介ページ等に記載されますので、対象物件かどうかを事前に確認することができます。

【ロゴマーク】ロゴマーク

【フレーズ】
 ITを活用した重要事項説明 登録事業者番号 00000
 ITを活用した重要事項説明 対応物件
※「ITを活用した重要事項説明」は「IT重説」とすることも可能。

※執筆の内容は、2015年7月末時点によるものです。

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