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「不動産流通市場活性化フォーラム」の設置について・既存不動産の流通を活性化するため多方面の有識者からなるフォーラムを設置

2011年11月9日

Report
国土交通省 土地・建設産業局 不動産業課
 
設置の趣旨

現在の日本は人口減少・少子高齢化社会と言われており、同時に環境負荷の低減等も大きな課題となっています。そのため現在の不動産市場においては、住宅を含めた既存ストックの有効活用が喫緊の課題となっています。また、日本は欧米諸国に比べて、新築住宅と比べた既存住宅の流通の割合が圧倒的に低い状況にあると言われています(図表1)。

図表1 既存住宅流通シェアの国際比較
図表1 既存住宅流通シェアの国際比較

このように、日本において既存住宅の流通が進まない原因を調べるため、(株)リクルートが「既存住宅購入の阻害要因」をテーマに住宅購入者にアンケートを行ったところ、
・価格が妥当なのか判断できなかった
・隠れた不具合があるか不安である
・リフォーム費用やメンテナンス費が割高になる
・耐震性や断熱性など品質が低い
・見た目が古臭い
等の意見が目立ちました(図表2)。
これらの意見には、既存住宅の価格に関する市場動向、建物の品質に関する情報、リフォームの費用や方法といった情報を消費者に適切に提供していくことで解消されるものが多く含まれています。

図表2 既存住宅を検討したにもかかわらず買わなかった理由
(既存住宅検討者のうち新築物件購入者、複数回答)

図表2 既存住宅を検討したにもかかわらず買わなかった理由(既存住宅検討者のうち新築物件購入者、複数回答)

すなわち、取引に当たって消費者の求める情報が十分に提供されていないことが、現在の既存住宅の取引における課題の一つと言えます。また、実際の既存住宅の取引の場面で消費者に直に接する仲介会社が、必ずしもリフォーム等に関する消費者からの相談に十分応えられていないことも課題の一つと言えます。

国土交通省ではこうした課題を解決するため、幅広い業界の有識者を集め、不動産取引における新たな取り組みについての提言を募り、最終的にそれらの提言を行政の施策に反映させること等により既存住宅流通を活性化させることを目的として、今般「不動産流通市場活性化フォーラム」を設置することとなりました。


フォーラムの議題

本フォーラムでは主に以下のような議題について話し合う予定です。なお、議題は今後のフォーラムでの議論を通じて適宜追加、変更する予定です。

・円滑な不動産取引のために必要な情報をどのように把握・蓄積し、提供していくか
・仲介会社等が消費者の新たなニーズにどのように応えていくか

フォーラムに期待される効果

本フォーラムは平成23年10月21日に第1回を開催し、来年夏頃を目途に取りまとめを行う予定です。国土交通省においては、本フォーラムで議論された内容を今後の行政の施策への反映や流通市場活性化に向けた機運の醸造につなげることを目指しています。また、既存住宅を安心して取引できる環境を整備することにより、消費者の皆さんがこれまでより幅広い選択肢の中から最適な住まい選びができるようになること等が期待されます。

※執筆の内容は、2011年9月末時点によるものです。

国土交通省


不動産流通市場活性化フォーラムの内容は、国土交通省のHPで確認することができます。


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