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賃貸住宅管理業者登録制度について・賃貸住宅管理業者の業務の適正化を図るとともに、借主、貸主の利益を保護

2011年6月8日

Report
国土交通省 総合政策局 不動産業課
 

国土交通省が平成23年度中をめどに施行準備を進めている「賃貸住宅管理業者登録制度」について、ご執筆をお願いしました。

賃貸住宅管理業者登録制度施行の背景

現在民間の賃貸住宅は約1,340万戸あり、うち8割以上を個人が所有しています。さらに、そのうち8割近くの方が、一部または全部の管理を委託しています(総務省『平成20年住宅土地統計調査』、国土交通省『平成22年民間賃貸住宅に関する市場環境実態調査』より推計)。
賃貸住宅管理業者は、家賃や敷金などの受領事務をはじめ賃貸借契約の更新事務、退去時の立ち会い、敷金の返還など様々な重要業務の管理を貸主から委託され、適切に業務を実施する役割を担っています。
このように賃貸住宅市場における賃貸住宅管理業者の役割は、重要である一方で、賃貸住宅に関する相談件数は年々増加しており、その一因として、賃貸住宅に関係する法律や商慣習が多岐にわたることや、借主のみならず、多くの貸主も管理業務の内容について、必ずしも十分な知識を有していない状況にあることが考えられます。
こうした状況に鑑み、国土交通省では、賃貸住宅管理業に関して一定のルールを設け、管理業者の業務の適正化を図るとともに、借主、貸主の利益を保護するため、平成23年度から国土交通省告示による任意の賃貸住宅管理業者登録制度を施行する予定です。


賃貸住宅管理業者登録制度の概要と効果

この制度の対象には、貸主から委託を受けて賃貸住宅の管理を行う事業者のほか、サブリース(賃貸住宅を転貸し、貸主として管理を行う事業)により管理を行う事業者も含まれます。登録を受けた賃貸住宅管理業者は、管理事務の対象や契約内容について重要事項の説明や書面交付、貸主に対する定期的な管理事務の報告などのルールを遵守することとなります。

この登録の有効期間は5年間であり、国土交通省は、登録事業者の情報を記載した登録簿を管理し、一般の閲覧に供します。仮に登録事業者が管理事務に関して不適切な行為を行った場合などは、指導や助言、勧告の対象となります。
借主となる消費者は、あらかじめ登録事業者の行う管理方法などの情報を把握し、賃貸住宅を選択する際の判断材料として登録制度を活用することができます。

本制度に基づき、貸主、借主、管理業者の間に適正なルールを設け、信頼関係が構築されることで、紛争の発生を未然に防ぐことができるほか、適切な管理を行う事業者が評価されることにより、賃貸住宅管理業の健全な発展に寄与することが期待されます。


A.受託管理(貸主から委託を受けて賃貸住宅の管理を行う事業)


B.サブリーズ(賃貸住宅を転貸し、貸主として管理を行う事業)



※執筆の内容は、2011年5月末時点によるものです。

国土交通省


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