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住宅価格指数の公表開始について・既存住宅(中古マンション)の価格水準の動向がわかる「東証住宅価格指数」を試験的に算出・公表

2011年5月11日

Report
国土交通省 総合政策局 不動産業課
 

4月26日から公表された「東証住宅価格指数」について、ご執筆をお願いしました。

背景

日本には、欧米のような成約価格情報に基づく住宅価格指数が存在しないため、既存住宅価格の動向や投資判断に資する情報が不十分と言われています。このため、指定流通機構(レインズ)に登録された成約価格情報を活用して、住宅価格指数を策定することとなりました。


指定流通機構は、宅地建物取引業法に基づき国土交通大臣が指定した不動産流通機構で、通称「レインズ」と呼ばれています。(詳しくは、当サイトの不動産基礎知識「指定流通機構とは?」を参照)
住宅価格指数の概要

東京証券取引所は、平成23年4月26日から、既存マンション(中古マンション)の価格水準の動向を表した「東証住宅価格指数」の算出・公表を試験的に開始しました。
東証住宅価格指数は、首都圏の既存マンションに関して、財団法人東日本不動産流通機構に登録された成約情報を活用し、同質性を有する物件の価格変化に基づいて算出された国内初の指数です。

【指数の概要】

指数名称(日本語) 東証住宅価格指数(既存マンション・首都圏総合)
東証住宅価格指数(既存マンション・東京)
東証住宅価格指数(既存マンション・神奈川)
東証住宅価格指数(既存マンション・千葉)
東証住宅価格指数(既存マンション・埼玉)
指数名称(英語) TSE Home Price Index (Used Condominium, Composite of Tokyo Metro Area)
TSE Home Price Index (Used Condominium, Tokyo)
TSE Home Price Index (Used Condominium, Kanagawa)
TSE Home Price Index (Used Condominium, Chiba)
TSE Home Price Index (Used Condominium, Saitama)
指数計算方法 同質性を有する物件の成約価格の組み合わせを抽出し、リピート・セールス法により当指数を算出します。
基準日・基準値平成12年1月 100ポイント
公表開始日平成23年4月26日
算出頻度月次(2ヶ月前時点の指数値を公表)
指数値の公表毎月最終火曜日の16時頃、東証ホームページに掲載
期待される効果

住宅価格指数により、住宅取引に臨む消費者が既存住宅の価格動向(トレンド)を把握することができます。これにより、例えば、景気回復局面において、底値がわかり買い控えが減少したり、住宅ローンや事業者向け融資が円滑化するなど、取引の活性化が期待できます。
さらに、アメリカなどと同じ方式で住宅価格指数を提供することで、既存住宅の価格動向に関する国際的な比較も可能となります。このことは、不動産投資市場の透明性の向上に繋がり、年金や海外からの不動産投資の活性化も期待できます。

図1:東証住宅価格指数グラフ(1993年6月-2011年1月)

図1:東証住宅価格指数グラフ(1993年6月-2011年1月)

図2:S&Pケース・シラー住宅価格指数との比較(1995年1月-2010年10月)

図2:S&Pケース・シラー住宅価格指数※との比較(1995年1月-2010年10月)

S&Pケース・シラー住宅価格指数:米格付会社スタンダード・アンド・プアーズが公表している米国における住宅価格指数


詳しくは、東京証券取引所のホームページを参照

※執筆の内容は、2011年4月末時点によるものです。

国土交通省


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