トップ > 国土交通省・最新の動き > VOL.197 「空き家対策の推進に関する官民連携イベント」について
2025
4.9
VOL.189 で紹介したとおり、国土交通省では、不動産業への後押しを通じた空き家等の流通・活用拡大を図るため、官民一体で実行する施策パッケージとして、「不動産業による空き家対策推進プログラム」(以下「プログラム」という)をとりまとめ、2024年6月に公表しました。今回は、プログラムの取組の一環である「空き家対策の推進に関する官民連携イベント」等についてご紹介します。
プログラムでは、不動産業への後押しを通じた空き家の流通拡大を図るため、「流通に適した空き家等の掘り起こし」と「空き家流通のビジネス化支援」の2点について、それぞれ施策を取りまとめております。
VOL.190 で紹介したとおり、「空き家流通のビジネス化支援」の取組の一環として、昨年(2024年)7月に媒介報酬規制の見直しにより、不動産事業者が空き家等の流通・利活用に関するビジネスに参入しやすい環境を整備したところです。
さらに、「流通に適した空き家等の掘り起こし」の取組の一環として行う「地方公共団体との連携による不動産業の活動拡大」では、地方公共団体と不動産事業者の連携による空き家対策を推し進めるため、後述する官民連携イベントに先立ち、地方公共団体の幅広い部局と不動産事業者に空き家対策の推進に係る共通の認識や官民連携についての重要性を共有することを目的として、昨年(2024年)秋頃に国土交通省主催で「官民連携による空き家対策の推進に関するWeb説明会」を行いました。その後、空き家対策について関心があり、かつ課題認識が明確となっている地方公共団体と不動産事業者とのマッチングの機会を提供するため、本年(2025年)1月より、「空き家対策の推進に関する官民連携イベント」を各地域で開催しているところです。
空き家対策の推進、特に空き家等の利活用にあたっては、地域の課題を把握している地方公共団体と、専門的なノウハウを有する不動産事業者との連携が重要であると考えられます。この点、実際の空き家等の利活用に際しては、特定のニーズを有する利用者の探索や、リフォーム等の工夫を要する場合が多いことを踏まえると、空き家バンクの活用や空家等管理活用支援法人の指定のみならず、流通やリフォーム等を担う事業者と、居住や福祉等の地域課題を解決するための施策を講じる地方公共団体が、効果的な役割分担を行うことができる体制の構築が重要となります。
一方で、地方公共団体や不動産事業者からは、連携の重要性や必要性は理解するものの、知り合う機会がない、どのように連携すればそのノウハウを活用しビジネス化できるのか分からないといった声も寄せられております。このような状況を踏まえ、両者の連携を促進するため、「空き家対策の推進に関する官民連携イベント」を各地域で開催することとしました。
・第一弾:2025年1月31日、関東地方整備局管内(茨城県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、長野県)
・第二弾:2025年3月3日、近畿地方整備局管内(福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)
・第三弾:2025年3月18日、九州地方整備局管内(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県)
各日程で、それぞれ地方公共団体と、当該地域の地方公共団体との連携を希望している不動産事業者等に参加いただきました。
事業者については、宅地建物取引事業者、買取再販事業者、空き家に係る総合的な相談窓口や利活用提案を行う事業者、不動産特定共同事業者、不動産テック事業者、住宅瑕疵担保責任法人、解体事業者、ポータルサイト運営事業者等、幅広い業態の事業者に参加いただきました。
これまでにご参加いただいたみなさまの感想をご紹介します。
参加者の声
「多くの民間事業者と知り合うことができた。こういうイベントで出会った事業者であれば、市役所内での説明がしやすい」
「既に官民連携して取り組む空き家対策の事例や民間事業者の様々な空き家ビジネスの取り組みを聞くことができとても参考になった」
「民間に興味がある自治体と知り合うことができたので、他のエリアで開催される場合には是非また参加したい」
「自治体だけでなく、他事業者とも知り合う機会となったことに加え、どのような空き家ビジネスをしているか知ることができ勉強になった」
今後も引き続き、各地域にて本イベントを開催する予定ですので、ご参加いただけますと幸いです。
今後は、この「空き家対策の推進に関する官民連携イベント」を各地域で開催するほか、地方公共団体と不動産事業者等が、効果的な役割分担の下で取り組む空き家対策の事例を収集の上、全国に横展開することを検討しております。
このイベントを通じて、1件でも多くのマッチングが実現することで、各地方公共団体において、空き家対策の推進や地域課題の解決が図られることを期待しております。
執筆の内容は、2025年3月末時点によるものです。
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