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新しい「住生活基本計画(全国計画)」について 令和の新たな時代における住宅政策の指針として「住生活基本計画」を閣議決定

2021年6月9日

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国土交通省 住宅局 住宅政策課
 

今回は、2021年3月19日に閣議決定された新たな「住生活基本計画(全国計画)」について紹介します。

住生活基本計画とは

住生活基本計画は、住生活基本法(平成18年法律第61号)の基本理念にのっとり、住生活の安定の確保及び向上の促進に関する施策を総合的に推進するため、国が策定している全国計画であり、今後10年間の住宅政策の基本的な方向性を定めるものです。

【図1】住生活をめぐる現状と課題

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【図1】住生活をめぐる現状と課題

社会経済情勢の変化等を踏まえて概ね5年ごとに計画を見直すこととしており、前回計画の策定(2016年3月18日)から約5年が経過したため、今般、2021年度からの10年間を計画期間とする、新たな「住生活基本計画(全国計画)」を閣議決定しました。

新しい計画のポイント

新たな住生活基本計画は、住生活をめぐる現状と課題を踏まえ、「社会環境の変化」、「居住者・コミュニティ」、「住宅ストック・産業」の3つの視点から、8つの政策目標を設定して、今後の施策の基本的な方向性を定めています。

【図2】新たな住生活基本計画の概要

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【図2】新たな住生活基本計画の概要

この新しい計画のポイントは大きく2つあります。

(1) 社会環境の変化を踏まえ、新たな日常や豪雨災害等に対応した施策の方向性を記載

1つは、新型コロナウイルス禍や働き方改革の進展のような、昨今の著しい社会環境の変化を踏まえて、「新たな日常」やDX(デジタル・トランスフォーメーション)の進展、自然災害の頻発・激甚化に対応した施策の方向性を示したことです。具体的には、二地域居住等、国民の新たな生活観をかなえる居住の場の多様化・柔軟化を推進することや、災害から安全な住宅・住宅地を形成すること、被災者の住まいを早急に確保すること等を、基本的な施策として位置づけています。

(2) 2050 年カーボンニュートラルの実現に向けた施策の方向性を記載

もう1つのポイントは、2050 年カーボンニュートラルの実現に向けた施策の方向性を示したことです。計画においては、長期優良住宅ストックやZEH(ゼッチ:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)ストックの拡充、LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅の普及を推進し、住宅の省エネ基準の義務づけや省エネ性能表示に関する規制など更なる規制強化を行うことを盛り込んでいます。

このほかにも、子育て世帯の住宅取得の推進、多世代が共生する豊かなコミュニティの形成、住宅セーフティネット機能の整備、既存住宅流通の活性化などの重要施策について積極的に進めていくこととし、基本的な施策の方向性を示しています。

計画の実現に向けて

新しい住生活基本計画に掲げた目標の実現に向けて、まちづくりや防災、防犯、福祉、環境、エネルギー等の関連分野との連携を一層強化するとともに、住教育を推進して住まいの選択に関する情報提供を行っていくなど、一人ひとりが真に豊かさを実感できる豊かな住生活の実現に向けた施策を推進してまいります。

※執筆の内容は、2021年5月末時点によるものです。

国土交通省


詳しくは、国土交通省のホームページ「住生活基本計画(全国計画)」を参照ください。

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