トップ国土交通省・最新の動き>VOL.133 おとり広告の禁止について

国土交通省・最新の動き今までの掲載記事

おとり広告の禁止について おとり広告の禁止に関する注意喚起等について

2019年12月11日

Report
国土交通省 土地・建設産業局 不動産業課
 

年度末にかけて宅地建物取引が増加する時期を迎えることから、業務の適正な運営と宅地建物の公正な取引の確保を図るため、2019年11月8日、国土交通省は、不動産関連団体に対して、当該団体を通じたおとり広告の禁止に関する注意喚起等を改めて通知しました。今回は、その内容について紹介します。

おとり広告について

宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)第32条では、宅地又は建物の所在、環境、交通、代金及び借賃等の対価の額等について、「著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない」と規定されており、宅地建物取引業者に対し、誇大広告等を禁止しています。
また、顧客を集めるために売る意思のない条件の良い物件を広告し、実際は他の物件を販売しようとする、いわゆる「おとり広告」及び実際には存在しない物件等の「虚偽広告」についても、本条の適用があるものとされています。(「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」(平成13年1月6日国土交通省総動発第3号))
これらの広告は、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)第5条第3号(同号の規定により指定された「不動産のおとり広告に関する表示」(昭和55年公正取引委員会告示第14号))及び不動産の表示に関する公正競争規約(平成17年公正取引委員会告示第23号)第21条においても禁止されており、違反者に対しては措置命令や警告、違約金の課徴などの措置が講じられます。

図をクリックすると拡大表示されます
不動産のいわゆる「おとり広告」に関連する制度について

おとり広告の具体例

具体的には、例えば、実際には取引する意思のない物件を、顧客を集めるために、合理的な根拠なく「相場より安い賃料・価格」等の好条件で広告して顧客を誘引(来店等を促す行為)した上で、他者による成約や突然の雨漏りが生じた等を理由に、他の物件を紹介・案内することは「おとり広告」に該当します。また、成約済みの物件を速やかに広告から削除せずに当該物件のインターネット広告等を継続して掲載することや、広告掲載当初から成約済みの物件を掲載する場合も、故意・過失を問わず「おとり広告」に該当します。加えて、他の物件情報等をもとに、対象物件の賃料や価格、面積又は間取りを改ざんすること等、実際には存在しない物件を広告することは「虚偽広告」に該当します。

図をクリックすると拡大表示されます
おとり広告の具体例

おとり広告の抑制に向けた主な取り組み

広告の適正化等については、年度末にかけて宅地建物取引が増加する時期を迎えることから、「おとり広告の禁止に関する注意喚起等について」(令和元年11月8日国土動指第69号)により、不動産関連団体宛てに改めて通知したところであります。
また、(公社)首都圏不動産公正取引協議会においては、不動産の表示に関する公正競争規約に違反し、厳重警告及び違約金課徴の措置を講じた不動産業者に対し、協議会に設置した「ポータルサイト広告適正化部会」の構成会社等が運営する不動産情報サイトへの広告掲載を原則1ヶ月間以上停止するなど、おとり広告の抑制に向けた取り組みが進められています。

図をクリックすると拡大表示されます
最近の主な取組み

今後とも、消費者の皆様が安心して不動産を取引できるように、宅地建物取引業の適正な運営と宅地建物の公正な取引の確保に努めてまいります。

※執筆の内容は、2019年11月末時点によるものです。

国土交通省


ページトップ