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長期使用製品安全点検制度について・ガス瞬間湯沸器などの事故を防ぎ、長く安全に使うための制度が本年4月からスタート!

2009年12月1日

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国土交通省 総合政策局 不動産業課
 

今回は、消費者が日常生活で長期間使用する製品の安全・安心を確保するための「長期使用製品安全点検制度」について、ご担当者にご執筆をお願いしました。

新制度の背景

昨今、消費者が日常生活で用いる一部の製品について、長期間の使用に伴う経年劣化による重大な事故が発生しており(図1)、消費者の安全・安心を確保するためには、こうした事故を未然に防止するための措置を講ずることが大きな課題となっています。

これを踏まえ、平成21年4月1日、改正消費生活用製品安全法が施行され、「長期使用製品安全点検制度」がスタートしました。この制度によって、消費者自身による保守が難しく、経年劣化による重大事故の発生のおそれが高い製品について、メーカー等が、点検など保守に関する情報を消費者に提供し、点検を実施する体制を整備するための措置を講ずることなどにより、消費者による点検その他の保守を適切に支援することが期待されています。

図1:ガス小型瞬間湯沸器に付着した「すす」

図1:ガス小型瞬間湯沸器に付着した「すす」

新制度の対象製品(特定保守製品)

新制度は、消費者が日常生活で用いる製品のうち、長期間の使用に伴う経年劣化により安全上支障が生じ、一般消費者の生命又は身体に対して特に重大な危害を及ぼすおそれが多いと認められる製品であって、使用状況等からみてその適切な保守を促進することが適当と考えられる以下の9品目を対象としています。対象製品には、「特定保守製品」という表示のほか、メーカー等への連絡先が表示されています(図2)。

  • 屋内式ガス瞬間湯沸器(都市ガス用、LPガス用)
  • 屋内式ガスバーナー付ふろがま(都市ガス用、LPガス用)
  • 石油給湯器
  • 石油ふろがま
  • 密閉燃焼(FF)式石油温風暖房機
  • ビルトイン式電気食器洗機
  • 浴室用電気乾燥機

図2:対象製品の表示例

図2:対象製品の表示例

消費者が対象製品を所有した場合の対応

1.新たに対象製品を購入する場合
消費者が対象製品を購入するときは、その販売者、工務店、不動産販売業者などから、点検制度について以下の説明を受けることができます。

  • 対象製品は、経年劣化により危害を及ぼすおそれが多く、適切な保守がなされる必要があること。
  • 対象製品の所有者は、法律上点検が求められていること。
  • 対象製品の所有者は、そのメーカー等に所有者登録をする責務があること。また、登録すると、点検時期に点検通知があること。
  • 販売者等は、対象製品を購入した人から記入された所有者票の提供を受けた場合には、代わりに返送するなどして速やかにメーカー等に提供すること。

対象製品の所有者は、メーカー等に所有者情報を登録する責務がありますので、購入後速やかに、所有者票(図3)に必要事項を記入した上でメーカー等に送付するなどして、所有者登録を行ってください。記入した所有者票を販売者等に渡せば、メーカー等への返送を代わりに行ってもらうこともできます。
また、所有者情報を変更したときは、速やかにメーカー等に通知してください。
なお、所有者情報は、点検通知やリコールなど製品安全に関するお知らせ以外には用いられませんので、ご安心ください。

図3:所有者票のイメージ

図3:所有者票のイメージ。

2.対象製品が設置された既存(中古)住宅を購入する場合
既存(中古)住宅を購入する場合、その住宅に対象製品が設置されているときは、売り主から渡される建物の設備表(「告知書」と呼ばれることもあります)に、その製品に関する情報が記載されています。この場合、メーカー等に所有者情報の提供や変更を行ってください。

3.対象製品が設置された賃貸住宅の場合
賃貸住宅に対象製品が設置されている場合は、賃貸住宅経営者(家主)が所有者登録などの責務を果たすことになります。

4.点検時期が来た場合
所有者登録をしていれば、点検時期が来ると、メーカー等から「点検通知」が送られてきますので、メーカー等に点検を依頼しましょう。点検には料金がかかります。
なお、点検の依頼をしていないのに事業者から点検に来ることはありません。点検詐欺にご注意ください。

万一事故が起きると、周りの人にも迷惑がかかります。対象製品の所有者・家主のみなさまにおかれては、点検を受けるなどの保守に努め、製品を使う人、周りの人の安全にも配慮していただきますようお願いいたします。

また、点検時期の通知などを受け取るためには、所有者情報の正確な登録が必要です。変更の際は早めにメーカーなどの登録先に知らせましょう。

※執筆の内容は、2009年11月時点によるものです。

国土交通省


「長期使用製品安全点検制度」の詳しい内容は、経済産業省ウェブサイト「製品安全ガイド」をご覧ください。

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