トップ > 国土交通省・最新の動き > VOL.182 低未利用土地の適切な利用・管理を促進するための特例措置(100万円控除)について
2024
1.10
vol.171で紹介したとおり、「低未利用土地の適切な利用・管理を促進するための特例措置(100万円控除)」は、2023年度税制改正により制度対象を拡充したうえで2025年末まで延長されています。今回は、2022年における利用状況や適用事例について紹介します。
地方部を中心に全国的に空き地・空き家が増加する中で、土地の有効活用を通じた投資の促進、地域活性化、さらなる所有者不明土地の発生の予防を図ることが求められています。一方で、低額物件については、相対的に譲渡費用や譲渡所得税の負担感が重くなることから、土地を売らずに空き地・空き家として放置されてしまう傾向があり、課題となっていました。
そこで、2020年7月1日より、譲渡価額が500万円以下であって、都市計画区域内にある一定の低未利用土地等を譲渡した場合に、長期譲渡所得から100万円を控除する税制特例措置が開始されました。さらに、2023年度税制改正により、①市街化区域内、②用途地域設定区域内、③所有者不明土地対策計画を策定した自治体の都市計画区域内に所在する土地について、譲渡価額要件が800万円へ引き上げられ、対象が拡充されました。

→ 制度の詳細は以下のサイトを参照ください。
●土地の譲渡に係る税制<低未利用地の適切な利用・管理を促進するための特例措置について>
(1)利用実績と譲渡後の利用状況について
2022年において、本特例措置が利用された件数(※)は4,842件であり、すべての都道府県において利用実績がありました。また、譲渡前の状態については、空き地が約55%、譲渡後の利用については、住宅が約62%でした。
| ※ | 利用件数は、申請のあった土地が低未利用土地であることや譲渡後の利用等を確認して自治体により発行される確認書の交付件数を基にしたものであり、税制特例措置の適用件数とは一致しない可能性があります。 |

(2)適用事例の紹介
本特例措置を活用することにより第三者へ譲渡された低未利用土地は、譲渡後に様々な形態で有効活用されています。
例えば、佐賀県小城市における事例では、相続したものの自宅から離れていたために空き地のまま放置されていた土地を、本特例措置を活用して第三者へ譲渡し、新たにカフェがオープンしました。カフェは盛況で、地域住民の憩いの場となっているようです。
また、島根県出雲市における事例では、空き家所有者が建物の維持管理コストに不安を抱えていたところ、本特例措置を利用する形で、Iターンで手頃な物件を探していた第三者に土地・建物を売却・譲渡しました。買主は物件取得後、リフォームを行い居住しています。

本特例は、2025年末まで措置されています。譲渡費用に係る負担感の重さから、所有地を低未利用土地として放置されている場合には、本特例措置の活用も併せて、今一度、土地の有効活用についてご検討されてみるのはいかがでしょうか。
※執筆の内容は、2023年12月末時点によるものです。
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