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不動産流通業のDX推進、過半の従事者は必要性を認識しているが、従業員数が減るごとに認識度が低下

出典:(公財)不動産流通推進センター 「不動産流通業界におけるIT技術の利用状況、効果と課題に関する調査報告書(2022年度)」
執筆者:(公財)不動産流通推進センター 不動産流通センター研究所 麻

2023

8.10

(公財)不動産流通推進センターは2023年3月22日に、「不動産流通業界におけるIT技術の利用状況、効果と課題に関する調査報告書(2022年度)」を発表した。これは不動産流通業界におけるIT技術の利用状況等を把握することを目的に、不動産業(不動産売買業、不動産仲介業、不動産管理業)に従事(勤務又は経営)する日本全国の20代~70代の方を対象としてインターネットによるアンケート調査(2022年7月実施 有効回答数1,095件)とインタビュー調査(2022年8月~9月実施対象者8名(8事業者))を実施し、その結果をまとめたものである。

DX推進に関する意識は従業員数が減るごとに必要性が薄れていく傾向

DXに関する意識を調査した結果、「必要」が30.7%、「やや必要」が25.0%と、過半の回答者が必要性を認識し、前向き的な考えである。「どちらでもない」が22.1%、「あまり必要ではない」が11.2%、「必要ではない」が11.0%であった。従業員数別に見ると、従業員数が30人以上の不動産事業者に勤務(経営)している回答者では、「必要」が45.4%、「やや必要」が27.5%と7割超が必要性を感じている一方、従業員数が減るごとに必要性が薄れていく傾向がみられる。従業員数が1~4人の不動産事業者に勤務(経営)している回答者では、「必要」と「やや必要」を合わせても26.2%にとどまり、「あまり必要ではない」と「必要ではない」を合わせると半数近くになった。

DX推進の必要性(従業員数別)

DX推進の必要性(従業員数別)

出典:(公財)不動産流通推進センター 「不動産流通業界におけるIT技術の利用状況、効果と課題に関する調査報告書(2022年度)」

理由としては、従業員数が少ない小規模な事業者では、業務量から考えると、現状のままでも業務遂行に支障がない反面、システムを導入するための費用の捻出が課題であることが推測できる。一部の小規模事業者では、時代的な流れからすれば、不動産流通業界におけるDXの推進が必要であることを理解しながら、それが常態化、低コストで利用できるまで静観の態度をとっていることがうかがえる。

非対面契約を「積極的に実施すべき」の回答率は、個人よりも法人の方が高く、売買よりも賃貸の方が高い

今回の調査では宅地建物取引業法の改正を念頭に置いて、電子契約・電子署名システム及びIT重説関連システムの導入状況と、非対面取引に関する意識について重点的に調査を行った。

IT重説関連システムの導入率が22.1%、電子契約・電子署名システムの導入率が13.8%であり、他のシステムに比べるとまだ導入率が低いことが分かった。そして、電子契約・電子署名システム及びIT重説関連システムを実際に使用して感じたメリットとしては「書類の印刷、送付、保管等の手間が省け、効率化できた」とする回答が最も多く、デメリットとしては「相手方が説明内容をどこまで理解しているかが、対面の場合に比べて把握しにくい」とする回答が最も多くあった。

各システムの導入状況

各システムの導入状況

出典:(公財)不動産流通推進センター 「不動産流通業界におけるIT技術の利用状況、効果と課題に関する調査報告書(2022年度)」

また、今後非対面契約を実施することについての会社の方針を取引態様別(売買と賃貸)、顧客属性別(法人と個人)に調査した結果、いずれの類型においても、「顧客から要望がある場合に対応できるように準備すべき」との回答が最も多くあった。「積極的に実施すべき」との回答の割合を類型別に比較すると、取引態様が同じ場合、顧客属性が法人の方が個人よりも割合が高く、顧客属性が同じ場合、取引態様が賃貸の方が売買よりも割合が高かった。
そして、回答理由を分析した結果、非対面契約について前向きである理由は、業務効率化、時代の流れ、新型コロナウイルス感染対策などが挙げられる。一方、消極的である理由としては、本人確認の問題や詐欺、トラブルなどの不安、そして自社の営業方針や会社規模などの社内要因が挙げられる。このように、取引態様、顧客属性によって、非対面契約の実施方針に違いがあることが確認できた。

非対面契約を積極的に実施すべきかどうかについて(n=797)

非対面契約を積極的に実施すべきかどうかについて

出典:(公財)不動産流通推進センター 「不動産流通業界におけるIT技術の利用状況、効果と課題に関する調査報告書(2022年度)」

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