トップ > 国土交通省・最新の動き > VOL.214 新たな「住生活基本計画(全国計画)」について
2026
9.9
新たな「住生活基本計画(全国計画)」が2026年(令和8年)3月に閣議決定されました。
「住生活基本計画(全国計画)」は、住生活基本法(平成18年法律第61号)に基づき策定される国民の住生活の安定の確保及び向上の促進に関する施策を総合的に推進するため、国が定める計画であり、今後10年間の住宅政策の基本的な方向性を定めるものです。全国計画は、社会経済情勢の変化等を踏まえて概ね5年ごとに計画を見直すこととしており、2024年(令和6年)10月より、社会資本整備審議会住宅宅地分科会にて計画改定に向けて議論を行い、この度、新たな「住生活基本計画」が閣議決定されました。
新たな全国計画では、四半世紀先の2050年を見据え、「市場機能の進化を通じて住宅ストックの価値を最大限に活用」することと「人生100年時代の住生活を支える基盤を再構築」していくという大きなキーワードの中で、主な取組方策として以下の4つの方向性を示しました。
1)ニーズに応じた住宅を適時適切に確保できる循環型市場の形成
新築住宅の質誘導の枠組みは、2000年の「住宅性能表示制度の創設」に始まり、昨年(2025年)4月に全ての新築住宅に対し省エネ基準適合を義務化するに至るまで、25年間かけて概成しました。一方で、既存住宅の維持管理・流通の市場環境整備はいまだ不十分と考えています。住宅市場が新築中心から既存中心へとシフトする中、適切な維持管理を通じた「住宅の質の評価方法」や「それを支え、誘導していく住宅金融の仕組み」の構築などは、今後の課題です。
2)インフラ・居住環境の整った既存の住宅・住宅地の市場を通じた本格的な有効活用
今後、既成住宅地において、親などから住宅を相続されるケースが大量に生じると見込まれていますが、これを放置すると、住宅需要があるにもかかわらず遊休資産が存在するといった状況となり、社会的な機会損失につながるとともに、良好な住環境の形成にも影響を与えることが懸念されます。今後も増加すると考えられる相続空き家を適切に流通させ、若者・子育て世帯向けに、いわゆるアフォーダブルな住宅として活用していくことがこれからの課題です。
3)分野横断的な連携による「気づき」と「つなぎ」のある居住支援の充実
一昨年(2024年)に改正された住宅セーフティネット法が、昨年(2025年)10月に施行し、新たに「居住サポート住宅」の認定制度が創設されました。居住サポート住宅は、居住支援法人等と連携しながら「安否確認」「訪問等による見守り」「福祉サービスへのつなぎ」のサービス提供を行う住宅のことを指します。安否確認の際には、IoTを活用して安価にサービスを提供する事例も存在し、新しい取り組みが徐々に広がってきています。今後も分野横断的な連携により、総合的かつ包括的な居住支援の実現に向けて取り組んでまいります。
4)既存住宅を最大限に活用する持続的な住宅市場を支えるあらゆる主体の連携・協働の推進
生産年齢人口の減少等に伴い、大工をはじめとする専門技術者・技能者が減少している中、住宅市場を持続的に支えていくためには、居住者も含む幅広い担い手で住まいの適切な維持管理を実施していくことが必要です。住宅建設技能者の確保や技能の維持・向上のほか、居住支援法人などが持続的に活動できる環境整備や、居住者の住生活リテラシーを向上させるための情報提供などに取り組んでまいります。
これらを具体化させたものとして、計画の中では「住まうヒト」「住まうモノ」「住まいを支えるプレイヤー」の3つの視点および計11の目標を掲げました。
詳しくは、国土交通省のホームページ「住生活基本計画(全国計画)」をご確認ください。
なお、お住まいの都道府県の住生活基本計画についても、国土交通省のホームページ「地方公共団体の住生活基本計画」にてご確認いただくことができます。
※執筆の内容は、2026年8月末時点によるものです。
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