トップ>不動産トピックス>既存(中古)住宅購入にあたり、不動産会社等による住宅保証の利用率は42.6%
(一社)不動産流通経営協会(以下FRK)はこのたび、「不動産流通業に関する消費者動向調査」<第21回(2016年度)>の調査結果報告書(概要版)を発表した。調査対象は、首都圏1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)で平成27年4月1日~平成28年3月31日の間に購入した住宅の引き渡しを受けた世帯で、1,097票の有効回答を得たもの。住居形態の内訳は、新築住宅購入者399件(一戸建て119件、マンション278件、建て方不明2件)、既存(中古)住宅購入者698件(一戸建て234件、マンション453件、建て方不明11件)。
住宅購入資金の内訳を見ると、自己資金において「親からの贈与」を利用した割合は、新築住宅購入者で21.6%(前年度比2.1ポイント増)、既存(中古)住宅購入者で17.0%(同1.2ポイント増)となった。
「親からの贈与」の利用者平均額は、新築住宅購入者が930.5万円(同46万円増)、既存(中古)住宅購入者が808.9万円(同64万円増)。住宅購入者に占める親や祖父母からの「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税制度」※1を利用した割合は11.4%となった。
また、借入資金において「銀行等の民間ローン」を利用したのは、新築住宅購入者で69.2%、既存(中古)住宅購入者で63.3%だった。フラット35またはフラット35S※2を利用したのは、新築住宅購入者で13.8%(「フラット35を利用した」9.0%、「フラット35Sを利用した」4.8%)、既存(中古)住宅購入者で9.3%(同4.3%、5.0%)だった。購入した住宅が「フラット35またはフラット35Sが適用可能」なものに絞ると、実際に融資を利用したのは、新築住宅購入者で25.5%(同16.7%、8.8%)、既存(中古)住宅購入者で30.2%(同13.9%、16.3%)となった。
※1 「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税制度」について、詳しくは、当サイト「住まいの税金: 2-3直系尊属からの住宅取得等資金の贈与の非課税制度」を参照。
※2 フラット35について、詳しくは、住宅金融支援機構のサイトを参照。
新築住宅購入者のうち、物件を探す際に「新築・既存にはこだわらなかった」の割合は20.3%で、前年度(16.5%)から3.8ポイント増加した。一方、既存(中古)住宅購入者に、購入した理由を聞いたところ、最も多いのは「希望エリアの物件だったから」(64.3%)で、次いで「手頃な価格だったから」(54.7%)、「良質な物件だったから」(44.6%)の順となり、FRKでは「立地や価格の手頃さに次いで、住宅の質が購入の決め手となっていることがうかがえる」と見ている。
既存(中古)住宅の購入にあたり、不動産会社等による住宅保証※3を利用した割合は42.6%(「建物保証と住宅設備保証を利用」14.9%、「建物保証のみ利用」17.5%、「住宅設備保証のみ利用」10.2%)を占め、半数近くにのぼった(図1)。「既存住宅売買かし保険」※4の利用率は8.0%だったが、既存(中古)住宅購入者に「『既存住宅売買かし保険』の住宅購入への影響」を聞いたところ、「多少なりとも影響した」が78.6%を占めた(図2)。
また、民間の建物検査(ホーム・インスペクション)※5の実施率は13.1%(「既に売主が行っていた」10.0%、「売主に依頼して行ってもらった」3.1%)で(図3)、既存(中古)住宅の購入にあたり何らかの建物検査※6を実施した割合は38.3%(既存(中古)一戸建て47.0%、既存(中古)マンション34.4%)となった(図4)。
※3 不動産会社等による住宅保証について、詳しくは、当サイト「話題の不動産キーワード:VOL.34仲介会社独自の保証サービス」を参照。
※4 「既存住宅売買かし保険」について、詳しくは、当サイト「不動産便利ツール:住宅の瑕疵(かし)保険」を参照。
※5 ホーム・インスペクションについて、詳しくは、当サイト「話題の不動産キーワード:VOL.5 ホームインスペクション」を参照。
※6 不動産会社等による建物保証及び「既存住宅売買かし保険」の利用にあたって実施された検査、ならびにそれ以外に行った民間の建物検査(ホーム・インスペクション)。
※(一社)不動産流通経営協会 「不動産流通業に関する消費者動向調査」<第21回(2016年度)>