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トラブル事例集

売るときのトラブル

契約締結後のトラブル(瑕疵担保責任等)
瑕疵担保責任を負わない特約を付けて売買契約を締結したが、引き渡し後に買い主から修理費用を請求された。

瑕疵担保責任は負わないという特約を付けて、一戸建ての売買契約を締結しました。物件の引き渡し後、買い主がリフォームに入ったところ、土台に雨漏りが原因とみられる腐食が発見されたので、修理費用の一部を負担してほしいと言われました。

隠れた瑕疵について知っていた場合以外は、特約は有効です。

宅建業者が売り主で宅建業者でない者が買い主となる売買には、宅建業法第40条による瑕疵担保責任の特約の制限があり、売り主が会社のような事業者で買い主が消費者である売買には、消費者契約法第8条第1項5号による全部免除特約の無効の規定がありますが、売り主が一般の個人の場合は、瑕疵について、売り主が知りながら告げなかったときを除き、売り主が瑕疵担保責任を一切負わない旨の特約は有効です。
なお、瑕疵について、もし、知っているのにそのことを買い主に告げていないというのであれば、特約に拘らず、売り主は責任を免れることはできません(民法572条)。

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未入居の分譲マンションを購入後に直後に転売したら、住宅品質確保法による10年間の瑕疵担保責任を負うと言われた。

当初は自分で住むつもりで分譲マンションを購入しましたが、急遽、転勤が決まり、未入居のまま、購入後数ヶ月で売却しました。売買契約では、瑕疵担保責任は負わない特約を結んでいましたが、数年後、買い主から、雨漏りが見つかったので、住宅品質確保法により、補修工事の実施を請求されました。

個人の売り主でも、住宅品質確保法の新築住宅に該当すれば、10年間の瑕疵担保責任を負います。

住宅品質確保法第95条第1項では、「新築住宅の売買契約においては、売主は、買主に引き渡した時(当該新築住宅が住宅新築請負契約に基づき請負人から当該売主に引き渡されたものである場合にあっては、その引渡しの時)から十年間、住宅の構造耐力上主要な部分等の隠れた瑕疵について、民法第五百七十条において準用する同法第五百六十六条第一項並びに同法第六百三十四条第一項及び第二項前段に規定する担保の責任を負う。」とされており、対象となる物件が、「新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して一年を経過したものを除く。)」という「新築住宅」に該当する場合、個人の売り主であっても、10年間の瑕疵担保責任を負うことになります。
また、同法の第95条第2項で、第1項の規定に反する特約で買い主に不利なものは、無効とするとされているので、売買契約で、法律の規定より短い瑕疵担保責任の期間を定めたり、瑕疵担保責任を負わない特約を結んでいたりしたとしても、これらの約定は、全て無効で、法律上の10年間の瑕疵担保責任を負うことになります。
マンションの分譲業者も、当初の買い主に対して、同様に10年間の瑕疵担保責任を負っていますので、補修に要した費用を求償することは可能と考えられますが、このような手間を避けるためには、売却の際に、瑕疵が見つかった場合は、直接、分譲業者が対応する旨を、分譲業者、買い主を含めて、合意しておくことが望ましいでしょう。

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一戸建ての売買契約を締結後、引き渡し前にボヤを出してしまい、契約解除を求められた。

自宅の売買契約を締結した後、不注意で台所からボヤを出してしまいました。修理のため引き渡し時期が遅れる旨連絡したところ、買い主は縁起が悪いので、契約を解除したいと言ってきました。

建物の完全修理のほかに、慰謝料等も含めた損害賠償も考える必要があります。裁判で契約解除が認められるかどうかは判断が難しいところです。

売り主は、買い主に対し、その引き渡しを完了するまで、善良な管理者の注意をもって、売買物件の管理をする義務を負っています。また、売り主は、買い主に対し、所定の期日までに、債務の本旨に沿った履行をしなければならず、もし、期日を徒過したり、債務の本旨に従った履行ができなければ、これによって生じた損害を賠償しなければなりません。
したがって、売り主は、建物を完全に修理して引き渡す必要がありますが、その他、引き渡し時期が遅れることによる損害や、ボヤを出したという買い主の心理的瑕疵の賠償も考慮する必要があります。
買い主があくまでも契約解除を主張して、訴訟になった場合に、目的物が契約の目的を達し得ないものとして解除が認められるかは、難しい判断であり、その可能性は五分五分というところかもしれません。

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売買代金の残金については転売時に支払うことで合意したが、期限が来ても残金を払ってくれない。

宅建業者が買い主となる土地の売買契約を締結し、代金の一部を受領して、物件を引き渡した後、残金を転売時に支払うことで合意しましたが、期限が来ても、残金の支払が行われていません。

支払いの早期履行を請求することができますが、契約の解除も可能です。

不動産売買は、通常、物件引き渡しと代金支払いが同時に行われ、このような売買代金の支払い遅延というトラブルは、特殊な事例です。
売買代金の支払い遅延のような金銭債務の不履行は、履行遅滞に該当しますが、まずは、買い主に支払いの早期履行を請求して、買い主が従わない場合は、相当の期間を定めて履行の催告をし、その期間内に履行がないときは契約の解除をすることもできます。なお、この場合、解除権の行使により、各当事者は原状回復義務を負いますので、代金の一部を受領していれば、買い主に返戻する必要があります。
また、履行請求や契約解除を行った場合でも、それとは別に、損害賠償を請求することもできます。

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