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トラブル事例集

借りるときのトラブル

貸主のオーナーチェンジに関わるトラブル
ペット禁止の賃貸マンションに住んでいるが、そのマンションのオーナーが代わり、新オーナー自身がそのマンションの一室に住みペットを飼っている。

ペット禁止の賃貸マンションのオーナーチェンジがあり、新しいオーナーがそのマンションの一室で自らペット(小犬)を飼って住んでいます。
また、新オーナーは、従前のオーナーからペット飼育禁止の条項が入っている契約書を引き継いでいます。
オーナーは賃貸借契約違反をしていると思いますので、賃貸借契約を解除して引越しをしたいと考えており、その引越し費用をオーナーに負担してもらいたいのですが。

新オーナーがペットを飼育しているからといって、ただちに賃貸借契約上の義務違反とはなりませんが、オーナーに対してペットの飼育をやめてもらうよう、マンションの管理会社を含めるなどして関係者で協議すると良いでしょう。

新オーナーは、オーナーチェンジによりマンションを取得した段階で貸主の地位を継承し、借主との賃貸借契約の内容も従前のものと同一の内容が継承されます。

したがって、その賃貸借契約にペット禁止特約の効力がそのまま新オーナーに継承されることになります。ただし、継承されるのは個々の借主との間の個々の部屋についての賃貸借契約であり、オーナーが自宅として使っている部屋にはその契約関係がないので、オーナーが自分の部屋で行うペット飼育は、賃貸借契約上の義務違反(契約違反)にはなりません。

したがって、賃借人からの契約解除については、諸般の事情を総合して、その可否を判断しなければならず、少なくとも小犬を飼っている一事だけで契約解除の原因とすることはできないと考えられます。

しかし、貸主が契約違反をしているということにはならないとしても、建物の貸主・オーナーとしての建物の保存義務違反あるいは信義則上の(ペット禁止という)特約遵守義務違反という一種の不法行為になる可能性があり、オーナーとしては自分が貸主である以上、ペットの飼育をやめるべきと、オーナーに対してペット飼育をやめてもらい、文字どおりのペット禁止マンションのオーナーとなるよう、管理会社を含めるなどして、関係者で協議するのが良いでしょう。

また、オーナーがペット飼育をやめるというのであれば、引越し代を出してもらうことは難しいですが、ペット飼育をやめないということであれば、ある程度の金銭的負担を求めることができる可能性はあります。

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賃貸マンションの所有者が変わったのなら、保証人をやめると言われた。

一年程前からワンルームマンションの一室を借りて住んでいます。
今回、このマンションのオーナー(貸し主)チェンジがあり、新旧両貸し主名で貸し主変更の通知をいただきました。
また、私(借り主)の保証人になってくれている方にも同様の通知がありました。
ところが、その保証人から「オーナーが変わったのなら、もう保証人をやめたい。」と言われました。 この場合、どのようなことになるのでしょうか。

オーナーチェンジがあった場合、特約がない限り、借し主と貸り主との賃貸借契約関係等が新オーナーに移転します。

オーナーチェンジがあったということは、その賃貸物件の所有者が変更になったということであり、特約がない限り、賃借人の同意なく賃貸借の契約関係が新所有者に移転し、賃借人の賃料債務を保証する保証契約関係も特約がない限り、保証人の同意なく新所有者に移転すると考えられます。
そのため、保証人の「オーナーが変わったのだから、もう保証人をやめる」という主張は、その旨の特約がない限り主張できるものではないと考えられます。
ただし、保証人からの「保証人をやめたい」という申し出に対して、新しい貸し主がそれに応じた場合、その保証人との保証契約は合意解約となり、そのために貸し主が新たな保証人を要求した場合、借り主は別の方に保証人になってもらう必要があります。
また、今回のケースとは別ですが、賃貸借契約更新時に、保証人をやめたい旨の申し出があった場合には、やはり借り主は別の方に保証人になってもらう必要が生じます。この場合、2020年4月1日以降であれば、保証人が責任を負う限度額(極度額)を決める必要があります。

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