トップ>不動産トピックス>2019年4~6月の住宅景況感、総受注戸数・総受注金額ともに大きくマイナスに転じる
2019年8月28日
(一社)住宅生産団体連合会(以下、住団連)はこのたび「経営者の住宅景況感調査(令和元年度第2回)」を発表した。住団連および住団連団体会員の法人会員を対象として、低層住宅に関する経営者の住宅景況感を調査し、16社の回答を得たもの。1993年10月から年4回実施しており、今回の調査対象は2019年4~6月(2019年度第1四半期)。2019年7月にアンケート調査を行った。
調査では、(1)一戸建て注文住宅(2)一戸建て分譲住宅(3)低層賃貸住宅(4)リフォームの事業について、それぞれの受注戸数・受注金額の直近3ヶ月間の実績・向こう3ヶ月間の見通しを、前年同期と比べ「10%程度・以上良い」「5%程度良い」「変わらず」「5%程度悪い」「10%程度・以上悪い」の5段階でたずね(リフォームについては金額のみ)、景況感指数※1を算出した。
2019年4~6月における実績の景況感指数は、総受注戸数がマイナス86(前期(2019年1~3月)プラス54)で(図1)、総受注金額がマイナス75(同プラス63)となり(図2)、「大きくマイナスに転じる」結果となった。向こう3ヶ月(2019年7~9月)の見通しは、総受注戸数はマイナス36、総受注金額はマイナス35だった。
一戸建て注文住宅では、受注戸数はマイナス93(同プラス40)、受注金額はマイナス69(同プラス50)で、「大きくマイナスに転じた」が、「8%増税時(2013年10月)のような極端な駆け込み受注景気からの落ち込みでないため、各社の受け止め方も比較的冷静」だという。向こう3ヶ月の見通しは、受注戸数はマイナス32、受注金額はマイナス27だった。
一戸建て分譲住宅では、受注戸数はマイナス6(同プラス6)、受注金額はマイナス13(同プラス19)で、マイナスに転じた。向こう3ヶ月の見通しは、受注戸数はプラス6、受注金額はプラスマイナス0だった。
低層賃貸住宅では、受注戸数はマイナス38(同プラス90)、受注金額はマイナス42(同プラス90)で、「戸数は前回(4月)調査時の10四半期ぶりのプラスから一転、再度マイナスに転じる」結果となった。向こう3ヶ月の見通しは、受注戸数はマイナス29、受注金額はマイナス29だった。
リフォームでは、受注金額がプラス13(同プラス96)となり、9四半期連続でのプラスとなった。住団連では「総じてリフォーム市場は波はあるもののプラス成長を継続している」と見ている。向こう3ヶ月の見通しは、受注金額がプラス33と予測している。
※1 「良い」の割合から「悪い」の割合を差し引いた値を指数化したもので、最大が「プラス100」、最小が「マイナス100」。全回答が「10%程度・以上良い」の場合、指数はプラス100に、全回答が「10%程度・以上悪い」の場合、指数はマイナス100となる。
※(一社)住宅生産団体連合会 「経営者の住宅景況感調査(令和元年度第2回)」
2019年度の新設住宅着工戸数の予測を聞いたところ、回答した16社の平均は、総戸数92.0万戸(前回(2019年4月調査時)92.5万戸)だった。利用関係別で見ると、持ち家は28.0万戸(同27.9万戸)、分譲住宅は25.2万戸(同24.8万戸)、賃貸住宅は38.3万戸(39.2万戸)だった。
また、向こう6ヶ月間の住宅メーカーの経営指標となる「所得の伸び」「家賃の動向」「金利の動向」「資材価格の動き」「建築の手間賃」「地価の動向」「展示場来場者数」「技能職人数(大工)」について聞いたところ※2、2019年4月度調査と比べ、「所得の伸び」「家賃の動向」では大きな変化はなく、全社が「変わらず」と回答した。「金利の動向」では「下がる」が0社から2社に増加。「資材価格の動き」では「上がる」が10社から6社に減少した。「建築の手間賃」では大きな変化はなく、過半数が「上がる」と回答。「地価の動向」では「上がる」が2社から4社に増加した。「展示場来場者数」では「減る」が3社から8社に増加。「技能職人数(大工)」では、前回と同様、11社が「不足」と回答した。
※2 「所得の伸び」「家賃の動向」「金利の動向」「資材価格の動き」「建築の手間賃」では「上がる」「変わらず」「下がる」のいずれか、「地価の動向」では「上がる」「安定化」「下がる」のいずれか、「展示場来場者数」では「増える」「変わらず」「減る」のいずれか、「技能職人数(大工)」では「過剰」「充足」「不足」のいずれかを聞いた。