トップ>不動産トピックス>長期修繕計画に基づいて修繕積立金の額を設定しているマンションが増加
2019年5月22日
国土交通省はこのたび、「平成30年度マンション総合調査結果」を公表した。管理組合や区分所有者のマンション管理の実態を把握するため、約5年に一度行っているもので、前回調査は2013年度。全国のマンションの管理組合および区分所有者を対象にアンケート調査を実施し、管理組合1,688件、区分所有者3,211件の有効回答を得た。
世帯主の年齢を見ると、最も多いのは60歳代(27.0%)で、次いで50歳代(24.3%)、70歳代(19.3%)の順となり、70歳代以上が22.2%を占めた。前回(2013年度)と比べると「70歳代以上の割合が増加する一方、30歳代以下の割合が減少」しているという。マンションの完成年次別の内訳をみると、70歳代以上の割合は、1979年以前では47.2%、1980年~1989年では37.6%、1990年~1999年では21.9%、2000年~2009年では12.4%、2010年以降では5.1%となり、完成年次が古いマンションほど高くなっている。
マンション選定時に、入居後の共用部分の維持管理に対して考慮したかを単一回答で聞いたところ、「考慮した」は41.7%(「かなり考慮した」6.9%、「やや考慮した」34.8%)となり、「考慮しなかった」の57.2%(「あまり考慮しなかった」48.2%、「全く考慮しなかった」9.0%)を下回った。「かなり考慮した」または「やや考慮した」と回答した人に、維持管理で考慮した事項を複数回答で聞いたところ、「優良なマンション管理業者であること」(50.0%)が最も多く(図1)、次いで「管理規約の内容が妥当であること」(43.0%)、「管理費及び修繕積立金の額が十分であること」(41.8%)の順となった。
※国土交通省 「平成30年度マンション総合調査結果」
マンション管理の状況について見ると、計画期間25年以上の長期修繕計画に基づき修繕積立金の額を設定している割合は53.6%で(図2)、前回の46.0%から7.6ポイント増加した。修繕積立金の積み立て状況を単一回答で聞いたところ、現在の修繕積立金が計画に対して不足しているマンションは34.8%で、そのうち「計画に対して20%超の不足」は15.5%を占めた。
また、トラブルの発生状況について見ると、「特にトラブルなし」は23.2%で、前回の26.9%から3.7ポイント減少しており、「何らかのトラブルを抱えているマンションが増えている」結果となった。発生したトラブルは、「居住者間のマナー」(55.9%)が最も多く、次いで「建物の不具合」(31.1%)、「費用負担」(25.5%)の順だった。
※国土交通省 「平成30年度マンション総合調査結果」