トップ>不動産トピックス>2018年度のシェアリングエコノミー市場規模は約1.9兆円、2030年度は約11.1兆円と推計
2019年4月24日
(一社)シェアリングエコノミー協会と(株)情報通信総合研究所はこのたび、「シェアリングエコノミー市場調査 2018年版」を発表した。2019年1月に、全国の20~60代の男女を対象としてインターネット調査を実施し、プレ調査※では29,629人、本調査では2,509人の有効回答を得たもの。
※プレ調査の回答は、シェアリングサービスの提供率・利用率、幸福度、社会とのつながり等の算出に使用。本調査の回答は、それ以外のシェアリングサービスの1ヶ月当たりの収入・支出等の算出に使用。
調査では、シェアリングエコノミー市場の定義について、「対象とするサービスはインターネット上で資産やスキルの提供者と利用者を結びつけるもの、利用したいときにすぐ取引が成立するものとし、市場規模は資産・サービス提供者と利用者の間の取引金額(プラットフォーマーの売上ではない)」としている。また、サービスを「スペース(民泊、民泊以外)」「モノ(売買、レンタル)」「移動(カーシェア、サイクルシェア、その他)」「スキル(対面型、非対面型)」「お金(購入型、その他)」の5つのカテゴリに分類している。
2018年度の市場規模は、1兆8,874億円と推計(図1)。2030年度は、現状のペースで成長した場合は5兆7,589億円、「シェアリングエコノミーの認知度が低い点や個人が提供するサービス利用への不安」といった課題が解決した場合は11兆1,275億円に拡大すると見ている。
また、社会から認められている度合い、生活の安心・安全度といった「幸福度※1」や、地域活動への積極的参加、孤立感を感じないといった「社会とのつながり※2」において、シェアリングエコノミーの利用者※3と、そうでない人とを比較すると、「全ての項目でシェアリングエコノミー利用者の方が『社会とのつながり』や『幸福度』を感じる割合が高いことが確認された」という。
※1 「幸福度」は、以下の各項目についての回答を「とても高い:6」「高い:5」「やや高い:4」「やや低い:3」「低い:2」「とても低い:1」と1~6の数値に変換してから平均値を計算して算出
※2 「社会とのつながり」は以下の5項目
※3 いずれかのシェアリングサービスの提供者または利用者
※(一社)シェアリングエコノミー協会・(株)情報通信総合研究所 「シェアリングエコノミー市場調査 2018年版」
シェアリングサービスを利用する理由を聞いたところ、「移動のシェア(サイクルシェア・カーシェア)」「モノのシェア(レンタル・売買)」「スペースのシェア(民泊・民泊以外)」では「低価格」の割合が最も多かったが(図2)、それらを含む全てのサービスで「他では利用できない資産・サービスが利用できる」が多く、同協会では「独自性が評価されている」と見ている。また、「低価格」以外を回答した人に対し、企業が提供する類似サービス(民泊の場合はホテルや民宿、カーシェアの場合はレンタカーなど)に比べて高価格でも利用するかどうかを聞いたところ、「モノのシェア(売買)以外は半数以上が高価格でも利用すると回答」しており、「安いからシェアリングサービスを使うのではなく、むしろ高くても使うという人も多い」ことが分かる結果となった。
シェアリングサービス提供者(1,903人)に実感しているメリットを聞いたところ、「生活の充実」(27.0%)が最も多く、次いで「才能・能力の活用」(17.7%)、「収入による生活の安定」(14.2%)の順となった。また、シェアリングサービス利用者(1,908人)では、「趣味嗜好に合った物の購入やサービス利用」(52.1%)が最も多く、次いで「自分では購入できない高額品の利用」(16.7%)、「試しに利用した高額品の購入」(8.9%)の順だった。
※(一社)シェアリングエコノミー協会・(株)情報通信総合研究所 「シェアリングエコノミー市場調査 2018年版」