トップ>不動産トピックス>住宅計画の実現時期、「1年以内」が過去10年で最高に
2019年3月27日
住宅生産振興財団・住宅展示場協議会はこのたび、「総合住宅展示場来場者アンケート 2018 調査報告書-消費税アップを前にした来場者の現状と『人生100年時代』における戸建住宅保有意識-」を公表した。総合住宅展示場の来場者のうち住宅計画を考えている人を対象として、2018年9月1~24日にアンケート調査を実施し、713票の有効回収数を得たもの。
総合住宅展示場の来場者の世帯主年齢を見ると、最も多いのは「中年層(35~49歳)」(41.4%)で、次いで「若年層(34歳以下)」(39.3%)、「熟年層(50歳以上)」(19.3%)の順となった。平均世帯年収は702万円(前年(2017年)比31万円増)、平均建築予算は2,434万円(同2万円増)で、ともに過去10年で最も高い金額となった。
住宅計画の実現時期について単一回答で聞いたところ、最も多いのは「2年以上先・未定」(44.0%)で(図1)、次いで「1年以内」(32.3%)、「2年以内」(19.2%)の順となった。同協議会では、「『1年以内』が32.3%と過去10年で最も高くなり、過去2回の駆け込み需要期の中で最も高くなった一方で、『2年以上先』は44.0%と前年を大きく下回った」としている。
住宅計画の理由(複数回答)は、「子どもの成長を考えて」(47.8%、前年51.2%)が最も多く、次いで「現在住んでいる住宅は借家なので」(同32.9%、32.3%)、「現在住んでいる住宅に不満・不便があるので」(同29.6%、26.4%)の順に。「消費税が10%に引き上げられる前に建てたいと思って※1」(20.6%)は4位だった。「住宅ローンの金利が下がっているので」(8.0%、前年12.1%)と「住宅ローン減税の大幅拡充など、今が買い時と思ったので」(同3.8%、4.9%)は「減少傾向が続いている」という。
また、消費税率引き上げが住宅計画に与える影響について単一回答で聞いたところ、「税率10%前に実現させたい」(38.0%)が最も多く、次いで「もともと2019年10月以降に実現を予定している」(19.8%)、「住宅計画を重視して関係なく実現」(16.4%)の順となった。「税率10%前に実現させたい」は2015年(45.1%)と比べると減少したが、「消費税率引き上げが住宅購入の動機につながる層は一定数存在する」と同協議会では見ている。
※1 2015年、2018年の調査項目
※住宅生産振興財団・住宅展示場協議会 「総合住宅展示場来場者アンケート 2018 調査報告書-消費税アップを前にした来場者の現状と『人生100年時代』における戸建住宅保有意識-」
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)※2の理解度は30.5%(「内容をよく知っていた」4.6%、「内容を少しは知っていた」25.9%)、認知度は55.1%(「内容をよく知っていた」4.6%、「内容を少しは知っていた」25.9%、「名前は知っているが、内容はほとんど知らなかった」24.6%)で、「2016年と比較すると理解度・認知度ともに向上している」という。認知度を世代別に見ると、2016年と比べて、若年層では理解度・認知度ともに向上(図2)、中年層では理解度が低下し認知度が向上、熟年層では理解度・認知度ともに低下していることから、「若年層を中心にZEHへの関心が高まっている」と同協議会では見ている。
また、ZEHの関心ポイント別に関心度を見ると、2016年と比べて、「2018年は全項目において『非常に強い関心がある』が大きく伸びることで関心がアップしている」という。特に、若年層において、「消費エネルギーを自給自足することで、光熱費を大幅に削減できる」「蓄電池を災害などの緊急時に使うことができる」「補助金や税制優遇の制度がある」が、それぞれ10ポイント以上増加しており、同協議会では「若年層の関心事項は経費削減および防災面と自身の生活に関わる部分であることがうかがえる」としている。
計画が実現した住宅への居住予定を単一回答で聞いたところ、最も多いのは「生涯(一生)住み続けたい」で、71.0%を占めた。また、「人生100年時代」における、住宅計画に対する意識を複数回答で聞いたところ、「長く住み続けられる耐久性のある家を建てる」(72.4%)が圧倒的に多く、次いで「老後資金(の形成)に余裕を持った購入費用で家を建てる」(31.2%)、「資産価値のある土地に家を建てる」(25.2%)の順となった。
※2 「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」について詳しくは当サイト「話題の不動産キーワード:VOL.28 ゼロエネルギーハウス」を参照。
※住宅生産振興財団・住宅展示場協議会 「総合住宅展示場来場者アンケート 2018 調査報告書-消費税アップを前にした来場者の現状と『人生100年時代』における戸建住宅保有意識-」