トップ>不動産トピックス>災害対策、地震被災経験者の実施率が高い傾向。特に「風呂の水のためおき」に差
積水化学工業(株)住宅カンパニーの調査研究機関である(株)住環境研究所はこのたび、「セキスイハイム暮らしと住まい調査<自然災害編>」の結果を発表した。昭和47年~平成29年に建築された全国(沖縄県を除く)のセキスイハイムに居住する世帯を対象として、平成29年12月にインターネット調査を実施し、4,369件の有効回答を得たもの。
現在の住まいに住み始めてからこれまでに、自然災害によって建物や家財、人的被害を受けたことがあると回答した人に、自然災害に被災した後、平常時の生活に戻るまでにかかった期間を単一回答で聞いたところ、地震被災経験がある(阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、東日本大震災、熊本地震などの大規模地震を今の住まいで経験した)人では、「2週間超~1ヶ月」(23%)が最も多く、「10日を超える期間」と回答したのは55%と、過半数を占めた(図1)。これに対し、他の自然災害を経験した人では、「10日超」は38%だった。
被災後に苦労したこと・大変だったことを複数回答で聞いたところ、地震被災を経験した人では「ガソリン・灯油の入手困難」(54%)が最も多く、次いで「自宅の水道が使えない。水の入手困難」(48%)、「自宅で3日以上、入浴できない」(43%)、「自宅の水洗トイレが使えない」(38%)の順となり、「エネルギー、水などのライフラインに関わることが上位を占める」結果となった。同社では「台風、豪雨など他の自然災害後と比べて、ライフラインの途絶で苦労する人が多いのが、地震被災の特徴といえそうだ」と見ている。
※(株)住環境研究所 「セキスイハイム暮らしと住まい調査<自然災害編>」
現在行っている災害対策を複数回答で聞いたところ、「地震被災あり」「自然災害被災あり」「被災経験なし」ともに、上位は「携帯ラジオ、懐中電灯、医薬品などの準備をする」「飲料水をストックする」「カセットコンロ、カセットボンベをストックする」「非常時用の食料を準備する」となった(図2)。実施率を見ると、「地震被災あり」は全般的に対策実施率が高く、特に「風呂の水をためおきする」の実施率は、「被災経験なし」では17%だったが、「地震被災あり」では35%となり、「被災後の水がないことによる苦労経験が、強く影響していると思われる」と同社では見ている。
また、現在できていないが取り組むべきと思う災害対策(複数回答)では、「家族との連絡方法などを決めている」「非常用トイレを準備する」「貴重品や常備薬、入れ歯や補聴器など無いと困るものをすぐ持ち出せるようにする」が上位に。「ガソリン・灯油の予備ストックを持つ」の割合は、「被災経験なし」では11%だったが、「地震被災あり」では18%となり、「水同様に被災後途絶による苦労経験の影響が考えられる」結果となった。同社では「できていない対策という点では、水と比べてガソリン・灯油はストックが難しいという現状が読み取れる」ともしている。
※(株)住環境研究所 「セキスイハイム暮らしと住まい調査<自然災害編>」