トップ>不動産トピックス>一戸建ての温熱環境の不満足、夏・冬は春・秋より高い
旭化成建材(株)と(株)旭リサーチセンターはこのたび、「第2回『住まいの温熱環境の実態と満足度』調査」の結果を発表した。北海道、宮城県、首都圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)、中京圏(愛知県、岐阜県、三重県、静岡県)、阪神圏(京都府、大阪府、兵庫県、奈良県)、福岡県在住の一戸建て持ち家居住者を対象として、インターネットにより平成28年8月24~26日に夏季調査(有効回答600件)、平成29年3月3~6日に冬季調査(有効回答637件)を実施したもの。
住まいの温熱環境(暖かさ、涼しさ)に対する満足度を季節別に聞いたところ、「『夏』、『冬』の温熱環境の満足度は『春』、『秋』と比較して低い」という。「たいへん不満」の割合も、「春」1.9%、「秋」2.1%に対し、「夏」11.2%、「冬」14.5%と高かった。
部屋別に温熱環境の満足度を見ると、夏季においては「台所」「トイレ」、冬季では「洗面所」「トイレ」「浴室」の満足度が低かった(図1)。不満の理由(複数回答)は、夏季では「冷房しないと暑い」(79.9%)が最も多く、次いで「1・2階の温度差がある」(35.2%)、「冷房している部屋とそれ以外の部屋で温度差がある」(33.8%)の順、冬季では「暖房しないと寒い」(82.0%)が最多で、次いで「暖房している部屋とそれ以外の部屋で温度差がある」(46.0%)、「1・2階の温度差がある」(34.7%)の順となった。
また、夏季において部屋が暑くて使えない、あるいは使いたくない部屋やスペースが「ある」と回答した人は45.4%、冬季において部屋が寒くて使えない、あるいは使いたくない部屋やスペースが「ある」人は27.5%だった。暑くて(寒くて)使いたくない部屋・スペースは、夏季では「寝室」(32.8%)、「トイレ」(23.9%)、「納戸」(20.9%)の順、冬季では「洗面所」(32.2%)、「廊下」(30.6%)、「納戸」(28.8%)の順となった。
※旭化成建材(株)・(株)旭リサーチセンター 「第2回『住まいの温熱環境の実態と満足度』調査」
冬季における居間・食堂の起床時の室温が21℃以上、16~20℃、11~15℃、10℃以下の住まいそれぞれで、冬季の住まいの温熱環境(暖かさ、涼しさ)の満足度を見ると、21℃以上では約50%(「たいへん満足」19.7%、「やや満足」30.2%)となり(図2)、他と比較して高い結果となった。また、部屋が寒くて使えない、あるいは使いたくない部屋やスペースがあるかを聞いたところ、「ある」と回答した人の割合は、21℃以上では12.4%と、16~20℃(28.4%)、11~15℃(27.6%)、10℃以下(36.2%)より低かった。
なお、日常生活において部屋で寒いと感じた時の行動を比較したところ、「『毛布やひざ掛けをかける』、『カーテン・雨戸を閉める』、『暖房をしている部屋のドアや間仕切りを閉める』などの防寒行動が10℃以下の住まいよりも21℃以上の住まいで少ないことが分かった」という。
「温熱環境が良くなると気持ちや身体にいい影響がある」と思う人の割合は68.2%(「当てはまる」23.8%、「やや当てはまる」44.4%)で、男性(同14.8%、44.2%)より女性(同32.3%、44.6%)の方が高い比率となった。「温熱環境が良くなると行動量が増えると思う」(男性:「たいへんそう思う」9.2%・「ややそう思う」22.9%、女性:同24.2%・35.4%)、「住まいの温熱環境は重要だと思う」(男性:同22.3%・48.6%、女性:同31.5%・58.3%)でも、女性の方が多い結果となった。
※旭化成建材(株)・(株)旭リサーチセンター 「第2回『住まいの温熱環境の実態と満足度』調査」