トップ>不動産トピックス>家電込みゼロエネルギー邸の年間光熱費収支、17.6万円のプラスに
積水化学工業(株)住宅カンパニーはこのたび、プレスリリース「太陽光発電システム搭載邸のゼロエネルギー達成度及び蓄電池搭載邸の運転実績調査(2016)について~ゼロエネルギー住宅の普及強化、エネルギー自給自足型住宅を目指して~」を発表した。太陽光発電システム(以下PV)とホームエネルギーマネジメントシステム(以下HEMS)搭載住宅のゼロエネルギー達成度及び蓄電池の運転実績調査を実施したもの。
「太陽光発電システム搭載邸のゼロエネルギー達成度調査(2016)」では、全国のセキスイハイムでHEMS設置のオール電化※1&PV搭載邸(平成27年1月~12月の間に入居)を対象(有効回答2,658邸)として、平成28年1月~12月の消費電力量、発電電力量などを調査した。
この調査では、住宅を(1)「家電込みゼロエネルギー邸」(2)「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)※2相当邸」(3)「Nearly ZEH相当邸」(4)「非ZEH邸」の4つの区分に分けて、結果の分析を行った(表1)。
ゼロエネルギー邸を住宅区分別に見ると、(1)「家電込みゼロエネルギー邸」が40%、(2)「ZEH相当邸」が25%となり、「ZEH相当以上のゼロエネルギー邸((1)、(2)の合計)が65%に達していたことが判明」する結果となった。(3)「Nearly ZEH相当邸」は16%、(4)「非ZEH邸」は19%だった。
電力量収支と光熱費収支を中央値で見ると、(1)「家電込みゼロエネルギー邸」(1,073邸)では、電力量収支はマイナス3,341kWh/年、光熱費収支は17万6,000円のプラスとなった(表2)。
また、売買電力量と売買単価の掛け合わせにより個別邸の光熱費を試算したところ、「(1)『家電込みゼロエネルギー邸』と(2)『ZEH相当邸』ではほとんどが、(3)『Nearly ZEH相当邸』の約4割が光熱費ゼロ以下となり、全体では光熱費ゼロ以下邸が70%を占めていた」という。
※1 HEMS設置のオール電化の定義:調理・給湯・暖房に電気以外(灯油、ガス等)を使わないユーザーで、HEMSにより全消費電力量が計測されている邸
※2 家庭で消費するエネルギー以上のエネルギーを作り出せる、または差がゼロになる住宅
※積水化学工業(株)住宅カンパニー 「太陽光発電システム搭載邸のゼロエネルギー達成度及び蓄電池搭載邸の運転実績調査(2016)について」
「蓄電池搭載邸の運転実績調査(2016)」では、「太陽光発電システム搭載邸のゼロエネルギー達成度調査(2016)」におけるゼロエネルギー達成度調査該当邸のうち、蓄電池を搭載している邸を対象(有効回答757邸)として、平成28年1月~12月の放電電力量等を調査した。
蓄電池の放電量(中央値)を運転モードごとに見ると、経済モード(経済優先モード:深夜電力を充電し朝晩に放電)運転では1,401kWh/年で、容量当たりの放電量は201kWh/年、平均稼働率は約65%だった。一方、グリーンモード(自立優先モード:PVから充電し、夜から朝に放電)運転では1,750kWh/年で、容量当たりの放電量は251kWh/年、平均稼働率は約80%となり、「より蓄電池を活用できることが分かる」結果となった。
また、電力自給率を計算したところ、グリーンモード運転の場合は45%だったという(図)。同社では、「今回のゼロエネルギー達成度調査の母集団全てが蓄電池なしとした場合の電力自給率は23%(≒1,760kWh/7,676kWh)と想定され、22%向上することが分かった」という。
※積水化学工業(株)住宅カンパニー 「太陽光発電システム搭載邸のゼロエネルギー達成度及び蓄電池搭載邸の運転実績調査(2016)について」
なお、ゼロエネルギーハウスについて、詳細は、当サイト「話題の不動産キーワード:VOL.28 ゼロエネルギーハウス」で詳しく説明している。