トップ>不動産トピックス>平成27年の景気、「回復」見込む企業は前年から半減
(株)帝国データバンクはこのたび、「2015年の景気見通しに対する企業の意識調査」の結果を発表した。平成18年から毎年実施しており、今回で9回目。平成26年11月14~30日に全国の2万3,475社を対象として調査を実施し、1万516社の有効回答を得たもの。
平成26年の景気動向について聞いたところ、「回復局面」であったと回答した企業は7.8%で、前年の景気動向(平成25年11月調査)と比べ18.4ポイントの減少となった。「悪化局面」と回答した企業は28.9%で、前年の8.0%から大きく増加した。
帝国データバンクによると、「回復局面」と見ている企業からは「アベノミクス効果や円安による業績改善を景気回復の要因として挙げる声が多くみられた」という。一方、「悪化局面」と見ている企業では「消費税率引き上げが景気悪化の最大の要因と考える企業が多かった」といい、また、建設業の企業から「円安の影響で材料費の値上げ傾向が顕著」といった声が挙がるなど、「円安によるコスト負担増を挙げる企業も多くみられた」という。
平成27年の景気見通しについては、「回復局面」にあると見込む企業は13.4%で(図)、前年の23.7%から半減する結果となった。「踊り場局面」(前年34.6%、今回35.5%)や「悪化局面」(同16.5%、26.8%)との回答は、前年より増加した。企業の規模別に見ると、「悪化」と見込む企業の割合は、「小規模企業」(2,513社)では30.3%、「大企業」(2,308社)では23.0%となり、「規模の小さい企業ほど厳しい見通しを示していることが判明した」という。建設業(1,422社)では「回復局面」が13.7%、「踊り場局面」が35.4%、「悪化局面」が28.1%、「分からない」が22.8%と、全体と比べ「回復」「悪化」と回答した割合が多かった。不動産業(284社)では、「回復局面」16.2%、「踊り場局面」32.7%、「悪化局面」26.4%、「分からない」24.6%となった。
※(株)帝国データバンク 「2015年の景気見通しに対する企業の意識調査」より抜粋して作成
平成27年の景気に悪影響を及ぼす懸念材料を複数回答(3つまで回答可)で聞いたところ、最も多かったのは「為替(円安)」(50.6%)で、次いで「原油・素材価格(上昇)」(47.7%)、「消費税制」(36.5%)、「人手不足」(25.0%)の順。「為替(円安)」は前年の22.0%から大きく増加した。また、「人手不足」については、建設業(48.5%)と運輸・倉庫業(41.1%)では4割超となった。
今後、景気が回復するために必要な政策を複数回答で聞いたところ、最も多かったのは「個人消費拡大策」(47.4%)で(表)、次いで「所得の増加」(43.1%)、「個人向け減税」(34.9%)、「法人向け減税」(34.0%)の順となり、「個人消費関連が上位3項目を占める」結果となった。
※(株)帝国データバンク 「2015年の景気見通しに対する企業の意識調査」より抜粋