トップ>不動産トピックス>「住宅性能表示制度」への取組状況、一戸建て・共同住宅ともに半数弱の事業者が取得
(一社)住宅生産団体連合会(以下、住団連)はこのたび、「住宅生産事業者における『住宅性能表示制度等取組実態調査』報告書」を発表した。平成26年5月16日~7月22日に、住団連に所属する各団体の所属事業者を対象として、住宅生産事業者の「住宅性能表示制度」※1、「長期優良住宅認定制度」※2、「低炭素建築物(住宅)認定制度」※2への取組状況の実態を調査するためアンケート調査を実施し、439社の有効回答を得たもの。
※1「住宅性能評価制度」について、詳しくは当サイト「不動産基礎知識:買うときに知っておきたいこと:5-6 住宅性能評価書付き住宅とは」を参照。
※2「認定長期優良住宅」「認定低炭素住宅」について、詳しくは当サイト「住まいの税金:.住宅ローン控除など:3-1 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)」の「認定住宅(認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅)の場合の住宅ローン控除」の項を参照。
「住宅性能表示制度」の取組状況について聞いたところ、一戸建て住宅(412社)では、「ほぼ全棟で評価書を取得」が7.5%、「半数程度で評価書を取得」が3.4%、「顧客の要望で評価書を取得」が37.6%となり(表)、計48.5%が「取得する」と回答した。一方、「自己評価を行うが、評価書は取得しない」が8.5%、「住宅性能は説明はするが、自己評価までは行わない」が10.2%、「住宅性能は顧客に聞かれれば説明する」が31.8%と、合計50.5%が「評価書を取得しない」と回答した。
一方、共同住宅(155社)でも同様の傾向となり、「取得する」は47.7%、「取得しない」は48.4%だった。ただ、「取得する」のうち「ほぼ全棟で取得」との回答は15.5%と、一戸建て住宅よりも割合が多かった。
一戸建て住宅について、事業者の年間着工戸数別に見てみると、500戸以上の事業者で取組割合が高く、「半数程度以上で取得」(「ほぼ全棟で取得」と「半数程度で取得」の合計)が42社のうち16社(38.1%)を占めたが、50戸未満では203社のうち16社(7.9%)、50戸以上500戸未満では152社のうち11社(7.2%)にとどまった。
※(一社)住宅生産団体連合会 「住宅生産事業者における『住宅性能表示制度等取組実態調査』報告書」
「長期優良住宅認定制度」の取組状況について聞いたところ、一戸建て住宅では「認定取得」(「ほぼ全棟で認定を取得」62社、「半数程度で認定を取得」18社、「顧客の要望で認定を取得」272社の合計)が85.4%を占めたが、共同住宅では39.4%(同2社、1社、58社)にとどまり、大きな差が生じた(図)。「認定は取得しない」と回答した割合は、一戸建て住宅の13.8%に対し、共同住宅では56.8%となり、住団連では「共同住宅でも取り組みやすい制度構築が必要」と指摘している。
「低炭素住宅認定制度」の取組状況については、一戸建て住宅では「認定取得」との回答が35.4%(「ほぼ全棟で認定を取得」6社、「半数程度で認定を取得」2社、「顧客の要望で認定を取得(1棟でも認定取得した実績あり)」138社)、共同住宅では15.5%(同2社、0社、22社)と、ともに割合が低かった。
※(一社)住宅生産団体連合会 「住宅生産事業者における『住宅性能表示制度等取組実態調査』報告書」