トップ>不動産トピックス>約2割が住宅購入に「親からの贈与」を利用、既存住宅購入後のリフォーム実施は約半数
(一社)不動産流通経営協会(以下FRK)はこのたび、「不動産流通業に関する消費者動向調査」<第17回(2012年度)>の調査結果報告書(概要版)を発表した。調査対象は、首都圏1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)で平成23年4月1日~平成24年3月31日の間に購入した住宅の引き渡しを受けた世帯で、955票の有効回答を得たもの。住居形態の内訳は、新築住宅購入者352票(一戸建て131票、マンション218票、土地(建物は注文建築)1票、建て方不明2票)、既存(中古)住宅購入者603票(一戸建て193票、マンション397票、建て方不明13票)。
住宅購入資金のうち、自己資金において「親からの贈与」を利用した人の割合は、新築住宅購入者で21.3%(平均862.5万円)、既存住宅購入者で18.2%(同743.4万円)と、約2割を占めた。なお、贈与した親の年齢が65歳未満の割合は、新築住宅購入者(総数75人)では52.0%、既存住宅購入者(総数110人)では32.8%だった。一方、「祖父母からの贈与」は、新築住宅購入者では0.9%(同650.0万円)、既存住宅購入者では0.8%(同890.0万円)となった。
また、親または祖父母からの贈与にあたり「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税制度」※を利用した人の割合は、全体の12.5%。非課税制度の利用率を世帯主の年齢別に見ると、最も高いのは「30~39才」(総数387人)で18.3%、次いで「29才以下」(総数55人)で12.7%となり、FRKでは「比較的若い世代ほど生前贈与により住宅取得が容易となっている様子がうかがえる」としている。
「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税制度」の利用者のうち、同制度が住宅購入に影響したと回答した103人に対して、住宅購入に与えた影響を複数回答で聞いたところ、最も多いのは「借入金額を少なくできた」(72.8%)で、次いで「住宅を購入することができた」(45.6%)、「住宅の購入時期を早めた」(17.5%)の順となった(図1)。
※「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税制度」について、詳しくは、当サイト「住まいの税金:買う:2-3直系尊属からの住宅取得等資金の贈与の非課税制度」を参照
※(一社)不動産流通経営協会 「不動産流通業に関する消費者動向調査」<第17回(2012年度)>
既存住宅購入者に、既存住宅を購入した理由を聞いたところ、最も多いのは、前年度(平成23年度、総数641人)と変わらず「希望エリアの物件だったから」(73.5%)だった。次いで、前年度では2位だった「手頃な価格だったから」(50.6%)を抜いて「良質な物件だったから」(52.2%)が2位となり、FRKでは「立地に次いで住宅の質が購入の決め手となっていることがうかがえる」と見ている。
既存住宅の購入前後のリフォーム実施率※は、61.2%。このうち、「自らリフォームした」は46.9%を占め(図2)、「半数近くが購入後に買い主自らリフォームを実施している」。自らリフォームした人にリフォーム箇所を複数回答で聞いたところ、既存一戸建て(総数99人)、既存マンション(総数268人)ともにトップは「内装(壁、床など)」(既存一戸建て82.8%、既存マンション90.7%)で、次いで「水まわり設備(バス、トイレ、キッチン、給湯など)」(同66.7%、55.6%)の順となった。
リフォーム費用を築年数別に見ると、「一戸建て・マンションともに、築年数が古いほどリフォーム費用が高くなっている」という。一戸建ての場合、300万円以上の比較的高額なリフォームを実施した割合が最も多いのは、「15年超20年以内」(総数17件)で70.6%。100万円以上のリフォームも「15年超20年以内」が最も多く、94.1%にのぼった。マンションでは、300万円以上のリフォームは「20年超」(総数33件)で最も多く、48.4%を占めた。
※「リフォーム済み住宅」を購入もしくは「自らリフォームした」購入者の割合(重複回答を除く)。「リフォーム済み住宅」とは、売り主が販売(売り出し)にあたって、リフォームを施したものを指す。
※(一社)不動産流通経営協会 「不動産流通業に関する消費者動向調査」<第17回(2012年度)>