トップ>不動産トピックス>民間住宅ローンの新規貸し出し実績で、変動金利型が増加し59.2%に
住宅金融支援機構はこのたび、「平成23年度 民間住宅ローンの貸出動向調査結果」を発表した。民間住宅ローンを取り扱う金融機関に対して平成23年9月12日~10月7日にアンケート調査を実施し、303件の有効回答を得たもの。調査対象とした商品は、フラット35(買取型・保証型)を除く住宅ローン(新築住宅の建設・購入、中古住宅の購入、リフォームローン)で、借り換えローン、宅地購入ローン、つなぎローンも含む。
平成22年度における住宅ローンの新規貸し出し実績を金利タイプ別に見ると、変動金利型が59.2%と、前年度(平成21年度)の48.7%から増加していることがわかった(図1)。一方、固定期間選択型では、10年固定は前年度の34.1%から24.5%に、10年超は1.1%から0.2%に減少しており、「10年以上の固定金利型の割合は、縮小傾向が続いている」。変動金利型は、業態別に見ると、都市銀行・信託銀行(総数=6)では93.5%と9割以上を占めている。また、地方銀行(総数=42)で52.1%、第二地方銀行(総数=25)でも49.1%と約5割を占めており、住宅金融支援機構では「これらの業態では、変動金利型が主流となっている」としている。
今後重視する(伸長が期待される)金利タイプを複数回答で聞いたところ、全体(総数=299)では「固定期間選択型(10年)」が62.2%と最も多かったが、業態別に見ると、地方銀行・第二地方銀行では「変動金利型」も重視されている(表)。また、都市銀行・信託銀行では「変動・固定の金利ミックス型」が多くなっており、重視する金利タイプは業態によって異なることがわかる。
変動型 | 金利上限付き変動型 | 固定期間選択型 | 全期間 固定型 |
変動・固定の金利ミックス型 | その他 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
3年 | 5年 | 10年 | ||||||
全体 (総数=299) |
51.2% | 4.3% | 26.8% | 21.7% | 62.2% | 14.0% | 16.7% | 2.0% |
都市銀行・信託銀行 (総数=7) |
57.1% | 0.0% | 14.3% | 28.6% | 71.4% | 42.9% | 100.0% | 0.0% |
地方銀行 (総数=53) |
69.8% | 7.5% | 24.5% | 17.0% | 62.3% | 11.3% | 20.8% | 1.9% |
第二地方銀行 (総数=35) |
77.1% | 0.0% | 25.7% | 17.1% | 40.0% | 11.4% | 8.6% | 0.0% |
信用金庫 (総数=164) |
42.1% | 3.7% | 28.0% | 24.4% | 68.3% | 12.8% | 12.8% | 2.4% |
信用組合 (総数=16) |
43.8% | 12.5% | 25.0% | 31.2% | 68.8% | 6.2% | 12.5% | 0.0% |
労働金庫 (総数=12) |
41.7% | 8.3% | 58.3% | 8.3% | 66.7% | 0.0% | 16.7% | 8.3% |
モーゲージバンク・その他(総数=12) | 33.3% | 0.0% | 0.0% | 16.7% | 25.0% | 58.3% | 33.3% | 0.0% |
※住宅金融支援機構 「平成23年度 民間住宅ローンの貸出動向調査結果」
22年度の住宅ローン新規貸出額に占める借り換えの割合は、平均36.7%だった(図2)。21年度は33.1%、20年度は26.3%、19年度は24.9%で、年々増加しており、今回の調査では4割近い水準となった。また、22年度に新規に貸し出した住宅ローンの貸出期間は、平均25.3年(前年度25.1年)。22年度中に完済した住宅ローンにおける貸出後の経過期間は、平均14.7年(前年度14.9年)だった。
現状の個人向け住宅ローンへの取り組み姿勢を聞いたところ、新規については92.1%、借り換えについては88.7%と、9割程度が「積極的」と回答。今後についても、新規で91.7%、借り換えで89.0%が「積極的」と回答している。今後の積極化の方策を複数回答で聞いたところ、「借換案件の増強」が63.2%と最も多く、次いで「金利優遇拡充」(54.9%)が過半を超える結果となった。
※住宅金融支援機構 「平成23年度 民間住宅ローンの貸出動向調査結果」