トップ>不動産トピックス>省エネ設備の整備率、「二重サッシ」と「太陽光発電装置」に開き
国土交通省はこのたび、平成22年度の住宅市場動向調査の結果を公表した。住宅政策のあり方や住宅に関する予算、税制、融資の企画立案の基礎資料を得ることを目的とし、住宅の建設や購入、賃貸住宅への入居などの実態を明らかにするため、毎年度実施しているもの。
今回から3回にわたって、この調査結果の主なポイントについて紹介する。今回はその中から、注文住宅(調査期間:平成23年1月29日~2月28日、調査数:794件)、分譲住宅(同1月28日~2月26日、472件)、中古住宅(同1月28日~2月26日、401件)の購入に関する調査結果について紹介しよう。
注文住宅、分譲住宅、中古住宅について、世帯主の平均年齢を見てみると、それぞれ45.1歳、38.4歳、40.3歳となった。年齢帯で見ると、どの住宅タイプでも30歳代が最も多く、特に分譲住宅では5割を超えている(図1)。注文住宅では、60歳以上が19.1%と、他よりも多かった。世帯年収の平均は、それぞれ657万円、667万円、629万円だった。
住宅の建築・購入に要した資金(注文住宅は住宅建築費と土地購入資金の合計、分譲・中古住宅は購入資金)の平均総額と、資金総額の中に自己資金が占める比率は、注文住宅で4,187万円(自己資金比率38.5%)、分譲住宅で3,418万円(同26.9%)、中古住宅で2,345万円(同39.3%)となった(図2)。
また、住宅ローンの年間支払額の平均は、注文住宅で144万円、分譲住宅で143万円、中古住宅で100万円。年間支払額が世帯年収に占める割合を示す返済負担率は、注文住宅で26.0%、新築住宅で25.3%、中古住宅で17.9%となった。
※国土交通省 「平成22年度 住宅市場動向調査報告書」
省エネ設備として「二重サッシ」と「太陽光発電装置」の整備状況について、今回の住宅と直前の住宅とで比較すると、「二重サッシ」は全ての住宅タイプで増加しており、特に注文住宅と分譲住宅で増加幅が大きく、注文住宅で81.9%、分譲住宅で47.7%となっている(図3)。「太陽光発電装置」も全ての住宅タイプで増加しているが、整備率は、注文住宅24.6%、分譲住宅5.1%、中古住宅2.2%に留まっている(図4)。
また、高齢者等対応設備の整備状況についても、今回の住宅と直前の住宅とで比較してみると、全ての住宅タイプで増加している。特に、注文住宅と分譲住宅では増加幅が大きい。設備別に見ると、「段差のない室内」(注文住宅70.6%、分譲住宅60.8%、中古住宅23.4%)や「手すり」(同65.3%、52.8%、28.4%)に比べ、「廊下などが車椅子で通行可能な幅※」(同50.6%、40.9%、16.2%)の整備率は低くなっている。
※廊下や部屋の入り口の幅が約 80cm 以上ある場合
※国土交通省 「平成22年度 住宅市場動向調査報告書」