トップ>不動産トピックス>老後の住まい改善を考える人は中高齢者の35%、「維持管理のしやすさ」を重視
(株)住環境研究所はこのたび、「中高齢者の生活意識と老後の住まい」調査の結果を発表した。平成22年2月に、全国の持ち家に居住する55歳~69歳の男女690人を対象として、インターネットによるアンケート調査を実施したもの。性別は男女50%ずつで、年齢帯別では、55~59歳が33%、60~64歳が33%、65~69歳が33%。住居形態は一戸建てが80%、マンションが20%だった。
「老後のことを考えて住まいの変化を実施したか、または計画予定があるか」を聞いたところ、すでに「実施した」と答えた人は15%、「計画中」と答えた人は20%となった。同研究所は「35%の人が老後の住まいの改善を考え、長期化する老後に向けた住まいを検討している人は、少なくないと言える」と分析している。
また、住まいの変化を実施・計画する理由としては、1位が同率で「キッチンやトイレが古く感じが悪く使いづらかった」と「体の衰えをカバーできる家にしたいと考えて」の36%。3位が「自分の好みの家に住みたいと思ったので」で24%、4位が「急な階段や床の段差などの不便や危険があったので」で21%となった(図1)。年齢別に見てみると、55~59歳では「体の衰えをカバーできる家にしたいと考えて」と答えた人の割合が43%と、他の年齢層に比べて高く、一方、60~64歳では「自分の好みの家に住みたいと思ったので」が31%と高くなっている。
同研究所では、「バリアフリーの家への改善意向と、自分の好みの家、家の中で楽しめる住まいにしたいという2つの流れがある」と共に、「50代の後半は身体機能低下の認識からこれをカバーする住まいへの関心が高く、60歳以上になると長い老後のことを考えて、自分の好み・家の中での楽しみ・コンパクトな住まいへの要望が高まる」と見ている。
図1:住まいの変化を実施・計画する理由
※(株)住環境研究所 「『中高齢者の生活意識と老後の住まい』調査について」
老後の住まいについて重視する性能を聞いたところ、1位は「家の維持管理が楽、メンテナンスがいらない維持・管理重視」、2位は「耐震、耐火、耐風の構造重視」、3位は「家事の省力化など生活の利便性重視」となった。同研究所では「高齢期では身体の低下や経済面から、家の維持管理のしやすさが重視される」としている(図2)。
図2:老後の住まいについて重視する性能
※(株)住環境研究所 「『中高齢者の生活意識と老後の住まい』調査について」