トップ>不動産トピックス>平成21年の首都圏中古物件の取引は、マンション・一戸建てとも古い物件にシフト
(財)東日本不動産流通機構はこのほど、「築年数から見た首都圏の不動産流通市場」を発表した。平成21年1~12月における首都圏の中古マンション及び一戸建て住宅の成約・新規登録状況を、築年数(建築後経過年数)別に分析したもの。
同機構を通じて平成21年に成約(契約が成立)した、首都圏の中古マンションの平均築年数は17.17年で、前年(16.43年)に比べて0.74年上昇。新たに同機構に登録された新規登録物件も、平均築年数は18.21年(同17.74年から0.47年上昇)となった。中古一戸建ても、成約物件が18.13年(同17.44年から0.69年上昇)、新規登録物件が19.02年(同18.31年から0.71年上昇)となり、同機構は「ここ数年は需要が築浅に向く傾向だったが、平成21年は両物件ともそろって古い物件にシフトしている」と分析している。
物件の構成比率を築年帯別に見てみると、中古マンションの成約物件では「築20年を超える物件の成約が拡大している」(図1)という。特に、築30年を超える物件は、平成11年と比較すると、2.1%から14.9%に拡大。しかし、築10年以内の物件については、成約物件(36.9%)が新規登録物件(31.4%)を上回っており、「築浅の需要が引き続き高いことも示されている」という。
中古一戸建ての成約物件の構成比率は、築10年以内が26.5%(前年28.7%)、築11~20年が35.1%(同35.7%)、築20年超が38.4%(同35.6%)となり(図2)、「築20年を超える物件取引の拡大が目立っている」としている。
図1:中古マンション築年帯別構成比率(成約物件)
図2:中古一戸建て築年帯別構成比率(成約物件)
※(財)東日本不動産流通機構 「築年数から見た首都圏の不動産流通市場」より抜粋
成約状況について見てみると、平均成約価格は、中古マンションでは築0~5年が4,040万円、築6~10年が3,435万円、築11~15年が2,496万円、築16~20年は1,666万円(表1)で、「新規登録価格との差は各築年帯とも比較的小さい」という。ただし、成約物件は新規登録物件よりも平均面積が大きく上回っており、広い物件が求められているものの供給は少なく、「需給ギャップが一部生じている」と見ている。
中古一戸建ての平均成約価格は、築0~5年が3,745万円、築6~10年が3,571万円、築11~15年が3,130万円、築16~20年は2,931万円(表2)となっている。平均の価格・土地面積・建物面積ともに、新規登録物件が成約物件を上回っており、同機構では「需要は価格の割安感を求める傾向にある」と分析している。
価格(万円) | 面積(㎡) | ㎡単価(万円) | |
---|---|---|---|
築0~5年 | 4,040 | 72.39 | 55.81 |
築6~10年 | 3,435 | 72.42 | 47.43 |
築11~15年 | 2,496 | 66.97 | 37.27 |
築16~20年 | 1,666 | 63.77 | 26.12 |
築21~25年 | 1,800 | 62.05 | 29.00 |
築26~30年 | 1,610 | 62.77 | 25.65 |
築31年~ | 1,271 | 55.55 | 22.88 |
価格(万円) | 土地面積(㎡) | 建物面積(㎡) | |
---|---|---|---|
築0~5年 | 3,745 | 130.87 | 102.39 |
築6~10年 | 3,571 | 135.99 | 103.65 |
築11~15年 | 3,130 | 139.03 | 108.28 |
築16~20年 | 2,931 | 156.48 | 117.67 |
築21~25年 | 2,813 | 161.29 | 109.41 |
築26~30年 | 2,494 | 156.81 | 101.58 |
築31年~ | 2,250 | 149.25 | 88.48 |
※(財)東日本不動産流通機構 「築年数から見た首都圏の不動産流通市場」