トップ>不動産トピックス>全国の地域満足度は「北」のエリアで高く、大都市圏は低い
博報堂生活総合研究所はこのほど、全国47都道府県の20~59歳の男女6,000人を対象にした「スケール・ジャパン」調査のうち、“現在住んでいる地域への満足度”に関する調査結果を発表した。現在住んでいる地域への評価に関する調査結果を分析したもの。調査は平成21年8月21~23日にインターネットを利用して実施した。
地域満足度は、便利・自然・親交・個性・景観・静閑・安心・安価の8分野において、「自然の豊かさ」や「治安のよさ」など合計20項目に対して、全国10エリアのうち現在住んでいるエリアについて評価したもの。「満足している」「やや満足している」「あまり満足していない」「満足していない」の4つの選択肢のうち、「満足している」と「やや満足している」の合計を「満足」としている。その結果、1位が北陸、2位が北海道、3位が東北と、北に位置するエリアが上位を占めた。反対に地域満足度が低いのは、近畿(9位)、関東(10位)と大都市を含むエリアとなった(図1)。
地域満足度の高い北陸で評価が高かった項目は「水・空気のおいしさ」(「満足」との回答率88.5%)、「自然の豊かさ」(同86.3%)、「温和で柔らかい雰囲気」(同84.9%)、「街の静かさ」(同84.9%)、「治安のよさ」(同82.0%)だった。2位の北海道では「緑化空間の多さ」(同85.9%)、「自然災害の少なさ」(同80.2%)、3位の東北では「自然の豊かさ」(同83.2%)が高い評価を得た。
図1:地域満足度※ エリア別ランキング
※単位はポイント、満点は2,000ポイントとなる
※博報堂生活総合研究所 「全国47都道府県『スケール・ジャパン』調査結果“現在住んでいる地域への満足度”について」
全国10エリアの全体平均で、20項目のうち満足度が高かったのは「自然災害の少なさ」(1位)、「緑化空間の多さ」(3位)、「人口密度が適度」(4位)などで、博報堂生活総合研究所では、これらに共通するものとして「『自然』や『景観』といった、その地域にそもそもある自然環境に関する項目が目立つ」と分析している。
一方、満足度が低かった項目は「移動に便利」(11位)、「余暇行動に便利」(12位)、「緊急トラブル体制の整備」(13位)、「物価の安さ」(14位)、「街の美しさ」(15位)、「住居費の安さ」(15位)、「地方自治体の行政サービスのよさ」(19位)などで、「『便利』『安価』『安心』な生活といった人為的な項目が目立つ」という(図2)。
エリアによって評価の差が大きかったのは、「水・空気のおいしさ」(1位北陸88.5%、10位関東44.8%)、「自然の豊かさ」(1位甲信越88.0%、10位関東50.9%)、「移動に便利」(1位近畿64.8%、10位四国29.9%)で、差が小さかったのは、「緊急トラブル体制の整備」(1位北海道54.6%、10位四国46.3%)、「家族や友人との交流のしやすさ」(1位北陸61.9%、10位関東54.6%)だった。
図2:地域評価項目の満足度(10エリアの全体平均)
※博報堂生活総合研究所 「全国47都道府県『スケール・ジャパン』調査結果“現在住んでいる地域への満足度”について」