トップ>不動産トピックス>「現在の暮らしに満足」しているものの、「将来に不安」も
平成20年度国土交通白書が4月21日、閣議で配布、公表された。「私たちの暮らしを支える国土交通行政の展開~厳しい経済状況下でも暮らしを守り活力づくりに挑む~」と題した第1部と、国土交通行政の動向をまとめた第2部とで構成されている。
国土交通省が行った意識調査※によると、現在の暮らしや生活環境について「満足している」「どちらかといえば満足している」と答えた人の合計が59.9%となった。一方で、暮らしや生活環境の将来について「不安を感じる」「どちらかといえば不安を感じる」と答えた人の合計は64.1%となり、多数が現在の状況には満足しているものの、将来に不安を抱いていることが分かった(図1を参照)。
白書によると、年齢別では、30歳代から50歳代前半の世代で、現在の満足度が低くなっており、この世代は、将来についても7割近くが不安を感じているという。また、都市部ほど現在の満足度が高いが、町村部では5割強と低くなり、将来に対する不安も高いという。
※平成20年11月21日から12月1日にかけて、全国の満20歳以上の男女を対象に、インターネットベースにて実施し、4,000人の回答を得たもの。
集計の際には、過疎・非過疎別の人口構成比に合わせ、データに重みを付けて集計を行った(ウェイトバック集計)。
図1:現在の満足と将来の不安
※国土交通省 「平成20年度 国土交通白書」
同じ意識調査で、暮らしや生活環境についてさらに具体的に聞いている。「重要度が高い」と答えた人の割合が高い項目は、「日常の買い物の利便性」「病院や診療所などの施設や医療サービス」など日常生活にかかわるもの、「治安のよさや防犯対策の状況」「自然災害等に対する防災体制」など安全安心にかかわるものが挙がっている。
しかしながら満足度は全体的に低く、重要度が高いものの満足度は低い項目としては、「自然災害等に対する防災体制」や「安全に歩ける歩行空間や自転車空間の整備の状況」が挙がっている。
一方、住宅に対する性能や機能については、「台所など水まわりの快適さ・トイレの水洗化」は、7割近い人が「確保されている」「どちらかといえば確保されている」と答えている。しかし、「地震」、「台風・洪水等」、「犯罪」に対する安全性が確保されていると答えた人は、2~3割台で低いという結果となった。
図2:性能・機能別にみた住宅
※国土交通省 「平成20年度 国土交通白書」