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マンション標準管理規約等の改正について 「マンションの管理の適正化に関する指針」及び「マンション標準管理規約」を改正

2016年5月11日

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国土交通省住宅局市街地建築課マンション政策室
 

平成28年3月「マンションの管理の適正化に関する指針」及び「マンション標準管理規約」を改正しました。今回は、この改正について解説します。

改正の趣旨

マンション標準管理規約(以下「標準管理規約」)は、管理組合が、それぞれのマンションの実態に応じて管理規約を制定、変更する際の参考として、作成、周知しているものであり、これまで、マンションに関する法制度の改正やマンションを取り巻く情勢の変化等に対応して見直しを行ってきたところです。
今般、マンション管理の諸問題として、高齢化等を背景とした管理組合の担い手不足、管理費滞納等による管理不全、暴力団排除の必要性、災害時における意思決定のルールの明確化など、様々な課題が指摘されました。
そして、これらの課題に対応するため、平成24年1月に「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」を設置し、平成27年3月に報告書をとりまとめ、改正案についてのパブリック・コメントの実施を経て、平成28年3月、マンション標準管理規約及び同コメントを改正しました。

改正の主要項目

【選択肢を広げるもの】
(1) 外部の専門家の活用

理事長を含む理事及び監事について、これまで区分所有者に限定していたものを、選択肢として外部の専門家も就任可とし、利益相反取引の防止、監事の権限の明確化等の所要の規定を措置しました。(全般関係コメント、第35条~第41条、別添1等)
専門家としては、マンション管理士のほか弁護士、建築士などで、一定の専門的知識を有する者

(2) 議決権割合
新築物件における選択肢として、総会の議決権(及び譲渡契約時の敷地の持ち分割合)について、住戸の価値割合に連動した設定も考えられる旨の解説を追加しました。(第46条コメント)

【適正な管理のための規定を明確化】
(1) コミュニティ条項等の再整理

防災・防犯、美化・清掃などのコミュニティ活動は可能であることを明確にし、判例も踏まえた条項として各業務を再整理しました。(第27条、第32条等)
一方で、コミュニティ活動自体は重要であることから、このような活動について、今回初めて、「マンション管理適正化法に基づく指針」に位置づけました。

(2) 管理費等の滞納に対する措置
管理組合が滞納者に対してとり得る各種の措置について、段階的にまとめたフローチャート等を提示しました。(第60条、別添3)

【社会情勢を踏まえた改正】
(1) 暴力団等の排除規定

暴力団の構成員に部屋を貸さない、役員になれないとする条項を整備しました。(第19条の2、第36条の2等)
第19条の2は、専有部分の貸与に関して、暴力団員への貸与を禁止する旨の規約の規定を定める場合の規定例です。  

(2) 災害等の場合の管理組合の意思決定
緊急時における補修などの保存行為は理事長が単独で判断し、緊急時の応急修繕は理事会で決定することができる等としました。(第21条、第23条、第54条等)

(3) 管理状況などの情報開示
大規模修繕工事の実施状況や予定、修繕積立金の積み立て状況などの情報を開示する場合の条項を整備しました。(第64条、別添4)

その他所要の規定の改正を実施したところですが、上記と同様の改正を、マンション標準管理規約(単棟型)だけでなく、マンション標準管理規約(団地型)及びマンション標準管理規約(複合用途型)についても行いました。

※執筆の内容は、2016年4月末時点によるものです。

国土交通省


改正した標準管理規約の本文、コメント、別添、新旧対照表などについては、国土交通省のサイトを参照ください。
マンション管理について
「マンションの管理の適正化に関する指針」及び「マンション標準管理規約」の改正について

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