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重要事項説明書・告知書について・取引当事者が重要事項説明書・告知書を十分理解し安心安全な不動産取引の実現を

2013年5月8日

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国土交通省 土地・建設産業局 不動産業課
 

皆様が宅地建物取引業者(以下「宅建業者」)から住宅などの不動産を購入するとき、あるいは宅建業者の媒介によって不動産を購入したり借り受けたりするときに、契約の前に必ず宅建業者から交付・説明を受けるのが重要事項説明書です。また、最近では売り主から告知書という書類が提出される取引が増えています。今回は安心安全な不動産取引のための制度として、宅地建物取引業法(以下「業法」)の根幹ともなる重要事項説明書と近年不動産取引において重要性が高まっている告知書について紹介します。

重要事項説明書とは?

宅地や建物の買い主、借り主等(以下「購入者等」)にとっては、これから購入したり借り受けようとしている物件についての情報はとても大切です。例えば、抵当権等の対象となっていたのでは完全な所有権を取得することはできず、また、建ぺい率や容積率などの公法上の制限を知らずに契約を締結してしまうと、予定していた建築物が建たないために契約の目的が達成できない、ということがあります。あるいは、契約の解除や違約金、ローンの利用など取引上の条件が不明確なまま契約を締結してしまい、後になって紛争が生じたり、損害を受けることもあります。

このような事態を防止するため、業法第35条では、購入者等が売買等の意思決定をする上での重要な判断材料を提供するという趣旨のもと、宅建業者は、契約が成立するまでの間に、取引しようとする物件や取引条件に関する重要な事項について、業法に定められた重要事項説明書を買い主に交付し、宅地建物取引主任者をして説明させなければならないことになっています。
内容としては、物件の権利関係、法令上の制限、インフラ整備、その他の制限、取引条件等、説明すべき事項のうち特に重要な事項を業法35条で規定しています。なお、業法35条は、購入者等に対し説明すべき事項のうちの最小限の事項を規定しているものであり、宅建業者はこれらの事項以外にも必要に応じて説明が求められることがあります(業法47条1号)。

買い主は、重要事項説明書の内容を確認したうえで最終的な購入の判断をすることになりますが、重要事項説明書の内容は専門的で量も多いことから、一度の説明では理解ができないこともあります。したがって、説明の趣旨や各項目のポイントを宅建業者に確認しながら、不明な点を明らかにし、十分に理解してから売買契約を締結することが望ましいと考えられます。

告知書とは?

宅建業者が重要事項説明を適切に行うためには、物件に関する十分な調査が必要ですが、宅建業者が売り主でない場合については、調査範囲にはおのずと限界があります。そこで「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」(いわゆる「ガイドライン」)において、物件の過去の修繕の履歴や瑕疵(かし)など売り主や所有者しか分からない事項について、売り主等の協力が得られるときに、宅建業者が売り主等から告知書を提出してもらい、買い主等に渡すことにより将来の紛争の防止に役立てることが望ましいとされています。

重要事項説明や告知書については、当サイト不動産基礎知識:買う8-2「重要事項説明のチェックポイント」、売る5-2「物件情報を提供する」、借りる8-1「契約前に重要事項説明を受ける」にも詳しく説明しています。

これらの書類は、取引時点の不動産の実態や契約内容を売り主、買い主、宅建業者の間で共有し、後々のトラブルを回避するうえでも非常に重要な書類となります。一方で、平成25年2月に国土交通省が住宅の購入者及び賃貸借契約を締結した賃貸住宅入居者に対して行ったアンケートによると、「不動産の契約時に重要事項説明を受けることをあらかじめ知っていた」割合は、40.6%にとどまっており、認知度を上げることが必要と考えられます。

重要事項説明の認知度
重要事項説明の認知度

消費者の皆様におかれましては、不動産を購入または借り受ける場合には重要事項説明書等の内容が十分理解できるまで宅建業者に確認いただくこと、また不動産を売却する場合には宅建業者からの告知書の作成依頼に協力いただき、買い主に対して積極的な情報開示を行っていただくことが、安心安全な取引を実現するうえで重要になります。国土交通省では、消費者が安心して不動産を取引し、また取引関係者間の認識の食い違いによるトラブルの発生を抑えられるよう、今後も重要事項説明書、告知書の周知や運用の改善について検討していきます。

※執筆の内容は、2013年4月末時点によるものです。
:宅地建物取引業法の改正により、平成27年4月1日から「宅地建物取引主任者」の名称は「宅地建物取引士」へ改称されました。

国土交通省


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