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「住宅宿泊事業法の施行状況等」について 住宅宿泊事業法に基づく届出等の状況及び最近のガイドライン改正内容等の紹介

2019年9月11日

Report
国土交通省 土地・建設産業局 不動産業課
 

民泊サービスの適正な運営を確保しつつ、民泊の健全な普及を図ることを目的とした住宅宿泊事業法が2018年6月15日に施行されてから1年以上経過しました。今回は、住宅宿泊事業法に基づく届出及び登録等の状況と、最近のガイドラインの改正内容等についてご紹介します。

住宅宿泊事業法の概要

2017年6月16日に住宅宿泊事業法(平成29年法律第65号)が公布され、2018年6月15日から施行されました。ここ数年、いわゆる「民泊サービス」が我が国でも急増しており、観光先進国を実現していく上で、多様化する宿泊ニーズ等へ対応するため、民泊サービスの活用を図ることが急務となっています。一方、民泊サービスについては、必ずしも安全面・衛生面の確保がなされていないこと、騒音やゴミ出しなどによる近隣トラブルが発生していること等が課題となっており、これらの課題に対応するため同法が制定されました。

同法は、住宅宿泊事業(年間180日以内で実施される宿泊営業)を行おうとする者(いわゆる家主)は、住宅宿泊事業者として都道府県知事等に届け出ることとし、衛生確保措置、騒音防止のための説明等、事業の適正な遂行のための措置を義務付けること等を定めています。また、住宅宿泊事業に関連する事業として、住宅宿泊管理業を営む者及び住宅宿泊仲介業を営む者に係る登録について規定しています。

【住宅宿泊事業法の概要】
図表1 地価変動率の推移(年間)

住宅宿泊事業法に基づく届出及び登録等の状況について

住宅宿泊事業の届出等の状況については、2019年7月16日時点で、住宅宿泊事業の届出件数が18,512件、住宅宿泊管理業の登録件数が1,766件、住宅宿泊仲介業の登録件数が64件となっており、それぞれの件数は順調に増加しています。
住宅宿泊事業の届出件数を都道府県、保健所設置市、特別区別にみると、(1)大阪市(2,794件)、(2)札幌市(2,129件)、(3)新宿区(1,211件)、(4)福岡県(1,043件)、(5)沖縄県(879件)、(6)豊島区(814件)、(7)渋谷区(693件)の順で多くなっています。 この他、住宅宿泊事業は年間提供日数の上限を180日としている一方で、365日提供が可能な特区法に基づく特区民泊の認定居室数についても、8,794居室(2019年6月末時点)と増加しています。

なお、住宅宿泊事業者が家主不在型等の場合には、安全面・衛生面の確保等のため、国土交通大臣の登録を受けた住宅宿泊管理業者にその管理を委託する必要があり、不動産業者は、不動産管理の専門家として、住宅宿泊管理業者として登録を受けているものも多いところです。

図をクリックすると拡大表示されます
【住宅宿泊事業法に基づく届出及び登録の状況一覧】
住宅宿泊事業法に基づく届出及び登録の状況一覧


ガイドラインの改正について

2019年3月には、法施行後の状況等を踏まえ、「違法民泊」への対策の観点から、住宅宿泊事業者が宿泊サービス提供契約の締結の代理・媒介を住宅宿泊仲介業者又は旅行業者に委託をしようとするときの通知事項の追加を行う等の住宅宿泊事業法施行規則の改正が行われました。また、事業者や地方自治体から法の解釈や運用について質問があった点等について、これを明らかにするための住宅宿泊事業法施行要領(いわゆるガイドライン)の改正も行っています。同施行要領の改正では、社員寮においても住宅宿泊事業の届出が認められること等について記述を追加したほか、住宅宿泊事業者が生活の本拠として使用する住宅と、住宅宿泊事業の用に供する住宅が隣接しているなど一定の要件を満たす場合、住宅宿泊管理業務の委託が不要であるところ、当該「隣接」とは、「建築物間に視界や騒音の認識を妨げる遮蔽物がないこと等」を追記する等の運用の明確化を図っています。

※執筆の内容は、2019年8月末時点によるものです。

国土交通省


住宅宿泊事業法及び住宅宿泊事業法施行要領(ガイドライン)等について、詳しくは国土交通省のサイト「住宅宿泊事業法」を参照ください。

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