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既存住宅の市況トレンド-首都圏・近畿圏

ここでは、首都圏と近畿圏における既存(中古)マンションと既存(中古)戸建住宅の市況について、四半期ベースで最新トレンドを紹介します。

首都圏市場の動き

東日本不動産流通機構※1の調査によると、首都圏における平成30年1~3月期の既存マンション成約件数は9,884件と前年比で1.6%減少し、2期連続で前年同期を下回りました。同じ期の新規登録(売り出し)件数は52,722件と前年比で6.5%増加し、2期連続で前年同期を上回りました。既存マンション市場では足元で取引が鈍化する一方、売り出し件数は増加し、需給は弱含みの傾向にあります(図表1)

図表1 首都圏における既存住宅の流通件数・価格の推移

図表1 首都圏における既存住宅の流通件数・価格の推移

資料:「季報Market Watch サマリーレポート」 (公財)東日本不動産流通機構を元に作成

これに対して、既存マンションの成約価格は平成24年10~12月期から22期連続で上昇し、新規登録価格も14期連続で上昇しています。平成30年1~3月期の平均成約価格は3,361万円と前年比で6.8%上昇し、新規登録価格も3,223万円で同2.9%上昇しました。成約価格は平成6年以来の高い水準にあり、6期連続で成約価格が新規登録価格を上回るなど、市場では売り物件の中で比較的高額なマンションを求める動きがみられます。

既存戸建住宅の成約件数も、平成30年1~3月期が3,137件と前年比で5.5%減少し、5期連続で前年同期を下回りました。一方、同じ期の新規登録件数は16,925件と前年比で6.3%増加し、4期連続で前年同期を上回っています。平成30年1~3月期の成約価格は3,239万円と前年比で5.1%上昇しましたが、新規登録価格は3,798万円で前年比マイナス0.4%と、8期ぶりに前年同期を下回りました。

既存戸建住宅の成約価格は6期連続でマンション価格を下回っており、マンションに比べて土地付き戸建の割安感が広がっています。ただ、足元では戸建価格も上昇しており、取引が減少するなかで相対的に高額な物件が選好されつつあるようです。既存マンションも取引が減るなかで成約価格が上昇しており、一部の高額物件の取引が市場価格を押し上げています。物件価格の上昇で一般的な既存住宅購入者の動きは鈍化しており、比較的予算の潤沢な需要層が市場をけん引していると言えます。

近畿圏市場の動き

近畿圏は、首都圏に比べて既存戸建市場で軟調な動きがみられます。近畿圏不動産流通機構※2が公表した近畿圏の既存マンション成約件数をみると、平成30年1~3月期は4,570件で前年比プラス0.9%と、ほぼ横ばいでした。一方、同じ期の新規登録件数は16,589件で前年比プラス10.2%の2ケタ増となり、12期連続で前年同期を上回っています(図表2)。首都圏に比べて売り物件の増加が目立ち、需給は緩和方向にあります。

図表2 近畿圏における既存住宅の流通件数・価格の推移

図表2 近畿圏における既存住宅の流通件数・価格の推移

資料:「季刊市況レポート・市況トレンド」 (公社)近畿圏不動産流通機構を元に作成

平成30年1~3月期の平均成約価格は2,179万円と前年比で4.1%上昇し、平成25年1~3月期から21期連続で前年同期を上回っています。新規登録価格は2,161万円と前年比で1.0%上昇しました。成約価格に対して新規登録価格の伸びが鈍く、平成30年1~3月期は成約価格が新規登録価格を逆転しました。首都圏と同様に、市場に売り出される物件の中から比較的高額なマンションが選好されている様子がうかがえます。

既存戸建住宅の成約件数は、平成30年1~3月期が3,058件と前年比で4.9%増加しました。一方、新規登録件数は13,741件と前年比で4.3%増加し、3期連続で前年同期を上回りました。同じ期の成約価格は1,845万円で前年比マイナス0.9%とやや下落しましたが、新規登録価格は2,406万円で同3.8%上昇し、戸建の売り出し価格は上昇しています。既存戸建住宅の成約価格は15期連続でマンション価格を下回っており、既存戸建の割安感は首都圏以上に強くなっています。

以上のように、首都圏と近畿圏ともに既存マンション市場に比べて既存戸建市場は弱含みの傾向が目立ちます。既存マンションは成約価格の上昇が続くものの、成約件数は伸び悩んでおり、市場本来のボリュームソーンである安価な物件を求める動きは停滞気味です。低金利などの下支えに加え、賃金上昇などで実需層の取得能力が改善されないと、今後は売り出し価格の調整が進むことも考えられます。

※1 公益財団法人 東日本不動産流通機構(東日本レインズ):北海道、東北6県、関東7都県、甲信越3県の1都1道15県を対象に、事業者間で不動産流通物件の情報交換を行うために、国土交通大臣が指定した唯一の公益法人。
※2 公益社団法人 近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ):近畿2府4県を対象に、事業者間で不動産流通物件の情報交換を行うために、国土交通大臣が指定した唯一の公益法人。

 詳しくは「(公財)東日本不動産流通機構ホームページ」及び「(公社)近畿圏不動産流通機構ホームページ」を参照して下さい。



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