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既存住宅の市況トレンド-愛知県・福岡県

ここでは、既存住宅市場における物件の件数や価格の動きなどについて、四半期ベースで最新のトレンドを紹介しています。今回は前々回に引き続き、主要な大都市を抱える愛知県と福岡県の既存マンションと既存戸建住宅における市況を解説します。

愛知県市場の動き

中部圏不動産流通機構※1が公表している愛知県の既存住宅市場をみると、基本的に堅調ではあるもののマンションと戸建住宅では動きが異なります(図表1)。平成28年10~12月期の既存マンション成約件数は1,080件と前年比で9.1%増加し、2四半期連続で前年同期を上回りました。在庫件数(売り出し中の物件数)は、平成28年10~12月期が10,703件で前年比16.1%の2ケタ増となり、4四半期連続で前年同期を上回りました。平成28年から売り物件数・取引件数ともに増加傾向にあり、既存マンション取引は活発となっています。

図表1 愛知県における既存住宅の流通件数・価格の推移

図表1 愛知県における既存住宅の流通件数・価格の推移

資料:「中部圏市場動向」 (公社)中部圏不動産流通機構を元に作成

既存マンションの平均成約価格は平成28年4~6月期に前年比で下落しましたが、その後は2四半期連続で前年同期を上回り、10~12月期は1,874万円で前年比プラス6.5%となりました。在庫価格(売り出し中の物件価格)は10~12月期が1,901万円で前年比プラス8.6%と、15四半期連続で前年同期を上回っています。一時、成約価格と在庫価格の乖離が広がりましたが、足元ではその差は再び縮小し、比較的高額な物件取引が増えつつあります。

一方、既存戸建住宅の成約件数は、平成28年10~12月期が486件と前年比で2.0%減少し、一進一退の状況にあります。在庫件数は7,015件と前年比で1.3%増加し、13四半期連続で前年同期を上回りました。既存戸建住宅の平均成約価格は、10~12月期が2,630万円と前年比で10.5%上昇し、在庫価格は3,206万円で同2.1%上昇しました。ただ、平成24年1~3月期と比較すると成約価格はプラス7.0%、在庫価格は同2.0%とこの5年間であまり変化していません。既存マンション成約価格は同時期に22.4%上昇しており、既存戸建価格は相対的に安定していることがわかります。

愛知県では、平成27年頃から既存マンションの成約件数が増加しており、成約価格も平成25年以降ほぼ一貫して上昇が続いています。在庫価格も上昇基調に変化はなく、需要は強含みの傾向にあります。既存戸建住宅も平成28年から成約・在庫価格ともプラスで推移していますが、成約件数は減少する四半期もあり、既存マンションほど活発な動きはみられません。

福岡県市場の動き

福岡県も愛知県と同様に、既存マンションと既存戸建市場の動きに違いがみられます。西日本不動産流通機構※2が公表した福岡県の既存マンション成約件数は、平成28年10~12月期が914件と前年比で4.7%増加しました。同じ期の新規登録(売り出し)件数は6,237件で前年比10.7%の2ケタ増となり、11四半期連続で前年同期を上回っています(図表2)。既存マンション取引は依然として堅調ですが、売り物件数も大幅に増加しており需給は緩和しつつあります。

図表2 福岡県における既存住宅の流通件数・価格の推移

図表2 福岡県における既存住宅の流通件数・価格の推移

資料:「市況動向データ」 (公社)西日本不動産流通機構を元に作成

平成28年10~12月期の平均成約価格は1,571万円で前年比プラス4.3%と、一時期を除いて約4年にわたる上昇が続いています。新規登録(売り出し)価格も1,488万円で同プラス5.6%と、平成25年からの上昇傾向に変化はみられません。平成24年1~3月期と比較すると、成約価格はプラス23.9%、在庫価格は同9.9%であり、成約価格の伸びが目立ちます。平成27年以降は成約価格が新規登録価格を上回っており、福岡県の既存マンション需要の強さがうかがえます。

一方、既存戸建住宅の成約件数は、平成28年10~12月期が434件と前年比で3.1%増加しました。新規登録件数は3,638件と前年比で6.8%減少し、2四半期連続で前年同期を下回りました。同じ期の成約価格は1,780万円で前年比プラス3.2%、新規登録価格は1,895万円で同2.3%の上昇にとどまりました。既存マンションに比べると価格の伸びは小さく、愛知県と同じく既存戸建価格は安定しています。

このように、愛知県・福岡県ともに既存戸建住宅に比べて既存マンション取引は活発で、価格の伸びが目立ちました。ただ、両県では名古屋市や福岡市を中心に投資目的や業者間での取引が拡大しており、こうした需要が価格を押し上げたとの指摘もあります。一般消費者による実需中心の既存戸建取引は相対的に落ち着いており、居住目的の物件取得は必ずしも活発とは言えないようです。実需を活性化するには、取得能力の向上につながるような実質賃金の着実な伸びが期待されるところです。

※1 公益社団法人 中部圏不動産流通機構(中部レインズ):中部地方の7県を対象に、事業者間で不動産流通物件の情報交換を行うために、国土交通大臣が指定した唯一の公益法人。
※2 公益社団法人 西日本不動産流通機構(西日本レインズ):中国・四国・九州地方の17県を対象に、事業者間で不動産流通物件の情報交換を行うために、国土交通大臣が指定した唯一の公益法人。

 詳しくは「(公社)中部圏不動産流通機構ホームページ」及び「(公社)西日本不動産流通機構ホームページ」を参照して下さい。



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