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既存住宅の市況トレンド-首都圏・近畿圏

今回は、首都圏と近畿圏における既存(中古)マンションと既存(中古)戸建住宅の市況について、四半期ベースで最新のトレンドを紹介したいと思います。

首都圏市場の動き

東日本不動産流通機構※1が公表した首都圏の既存マンションと既存戸建住宅の動きをみると、件数や価格の傾向に違いがみられます(図表1)。既存マンションの成約件数は、平成28年7~9月期が8,724件で前年比9.1%増と、6四半期連続で前年同期を上回りました。新規登録(売り出し)件数は平成28年7~9月期が47,440件で前年比6.7%増となり、7四半期連続で前年同期を上回っています。成約件数・売り物件数とも増加が続いていますが、既存マンション市場の需給は次第に緩和する方向にあります。

図表1 首都圏における既存住宅の流通件数・価格の推移

図表1 首都圏における既存住宅の流通件数・価格の推移

資料:「月例速報Market Watch」 (公財)東日本不動産流通機構を元に作成

既存マンションの平均成約価格は平成25年から約4年にわたって上昇が続いており、新規登録価格も平成26年4月の消費増税直後を除いてプラス基調にあります。平成28年7~9月期の成約価格は3,047万円と前年比で5.5%上昇し、新規登録価格も3,074万円で同5.9%上昇しました。成約価格と新規登録価格の差は再び縮小しており、市場で売り出される物件の中では比較的高額な物件が取引されやすい状況にあります。

一方、既存戸建住宅の成約件数は、平成28年7~9月期が3,148件で前年比9.2%増となり、6四半期連続で前年同期を上回りました。ただ、同じ期の新規登録件数は14,571件と前年比で9.2%減少し、4四半期続けて前年同期を下回りました。戸建の売り物件は減っており、市場の需給はタイトになっています。平成28年7~9月期の成約価格は3,082万円で前年比プラス2.5%にとどまり、既存マンションの成約価格と大差ありません。既存戸建の価格は一時下落するなど弱含みの傾向もみられ、既存マンションに比べて価格は安定しています。

首都圏では、既存マンション価格の上昇が続いており、立地や設備面など条件の良い物件を中心に活発な取引がみられます。ただ、大幅に上昇した都心などでは価格が頭打ちとなっており、売り出し価格も足元では下落に転じています。相対的に土地付きの既存戸建の値頃感が高まっており、価格の上昇も目立たないことから、今後は既存戸建住宅を求める動きが強まりそうです。

近畿圏市場の動き

近畿圏は、首都圏に比べて既存戸建市場の動きがより活発です。近畿圏不動産流通機構※2が公表した近畿圏の既存マンション成約件数をみると、平成28年7~9月期が3,908件と前年比で2.4%減少し、3四半期連続で前年同期を下回りました。一方、同じ期の新規登録件数は13,565件で前年比10.7%の2ケタ増となり、6四半期連続で前年同期を上回っています(図表2)。既存マンション市場の売り物件は増えていますが取引は減っており、需給は緩和方向にあります。

図表2 近畿圏における既存住宅の流通件数・価格の推移

図表2 近畿圏における既存住宅の流通件数・価格の推移

資料:「季刊市況レポート・市況トレンド」 (公社)近畿圏不動産流通機構を元に作成

平成28年7~9月期の平均成約価格は2,004万円と前年比で5.1%上昇し、首都圏と同じく約4年にわたる上昇が続いています。新規登録価格は平成26年の消費増税後に一時下落しましたが、平成28年に入ってから大幅に上昇しており、7~9月期は前年比11.2%の2ケタ上昇となりました。既存マンションの成約件数は減少しているため、売り出し価格の上昇に需要が追いついていない様子がうかがえます。

一方、既存戸建住宅の成約件数は平成28年7~9月期が2,935件で前年比3.9%増と、6四半期連続で前年同期を上回りました。ただ、新規登録件数は12,588件と前年比で5.9%減少し、需給はややタイトになっています。同じ期の成約価格は1,820万円で前年比プラス3.7%、新規登録価格は2,304万円で同プラス2.3%と、双方とも3四半期続けて前年比で上昇しています。近畿圏の既存戸建の成約価格は平成26年から既存マンション価格を下回っており、割安感がある戸建市場は堅調に推移しています。

上記のように、首都圏・近畿圏とも既存マンション価格は上昇が続いており、相対的に高額な物件取引が主体となっています。これに対し、既存戸建価格は安定しており、値頃感を求める既存住宅需要をつかんでいるようです。実質賃金が伸び悩み住宅取得能力が改善しないなか、国内外の経済情勢も先行き不透明感が高まっています。既存住宅市場では、引き続き値頃感のある戸建住宅に注目が集まるものとみられます。

※1 公益財団法人 東日本不動産流通機構(東日本レインズ):北海道、東北6県、関東7都県、甲信越3県の1都1道15県を対象に、事業者間で不動産流通物件の情報交換を行うために、国土交通大臣が指定した唯一の公益法人。
※2 公益社団法人 近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ):近畿2府4県を対象に、事業者間で不動産流通物件の情報交換を行うために、国土交通大臣が指定した唯一の公益法人。

 詳しくは「(公財)東日本不動産流通機構ホームページ」及び「(公社)近畿圏不動産流通機構ホームページ」を参照して下さい。



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