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既存住宅の市況トレンド-愛知県・福岡県

ここでは、既存住宅市場における物件の件数や価格の動きなどについて、四半期ベースで最新のトレンドを紹介しています。今回は前回の首都圏・近畿圏に引き続き、主要な大都市を抱える愛知県と福岡県の中古マンションと中古戸建住宅における市況を解説します。

愛知県市場の動き

中部圏不動産流通機構※1が公表している愛知県の既存住宅市場をみると、中古マンションと中古戸建住宅では異なる動きがみられます(図表1)。平成28年4~6月期の中古マンション成約件数は1,005件で前年比マイナス0.8%と、2四半期連続で前年同期を下回りました。一方、在庫件数(売り出し中の物件数)は平成28年4~6月期が9,958件で前年比9.7%増と、2四半期続けて増加しました。取引が停滞するなかで売り物件数は増加(需給が緩和)しており、平成27年まで好調に推移してきた愛知県の中古マンション市場はやや停滞感が出てきました。

図表1 愛知県における既存住宅の流通件数・価格の推移

図表1 愛知県における既存住宅の流通件数・価格の推移

資料:「中部圏市場動向」 (公社)中部圏不動産流通機構を元に作成

中古マンションの平均成約価格は平成28年1~3月期まで3年以上にわたって上昇しましたが、直近の4~6月期は前年比で2.3%下落しました。一方、在庫価格は上昇が続き、4~6月期は1,821万円と成約価格の1,702万円を119万円上回りました。平成27年以降は成約価格が在庫価格とほぼ同水準でしたが、足元では売り出し価格に需要が追いつかなくなっています。

中古戸建住宅の成約価格は、平成28年4~6月期が2,463万円で前年比プラス0.2%、在庫価格は3,236万円で同4.4%上昇しました。平成24年1~3月期の成約価格は2,458万円、在庫価格は3,143万円と、過去4年間で価格はあまり変化していません。成約件数は平成28年4~6月期が432件で前年比8.1%減少しましたが、それ以前は5四半期連続で前年比プラスでした。在庫件数も11四半期連続で前年比増となっており、愛知県の中古戸建住宅市場は比較的堅調です。

愛知県では、首都圏や近畿圏ほど中古マンションに対する需要は強くありませんが、売り出し価格の上昇は続いています。自動車産業などが強く住宅取得能力の高い購入者も少なくない土地柄ですが、相対的に安価な物件が求められる中古マンション市場では、売り出し価格の上昇が収束に向かう可能性もあります。一方、中古戸建価格は大きく変化しておらず、需給も緩やかながら安定していることから、戸建市場は今後とも堅調に推移することが考えられます。

福岡県市場の動き

福岡県では、中古マンションと中古戸建ともに価格の上昇が目立ちます。西日本不動産流通機構※2が公表した福岡県の中古マンション成約件数は、平成28年4~6月期が884件と前年比で5.5%減少しました。一方、同じ期の新規登録件数は5,684件で前年比21.8%の2ケタ増となり、9四半期連続で前年同期を上回っています(図表2)。平成26年4月の消費増税後の一時期を除いて取引は堅調ですが、売り物件数それを大幅に上回って増加しており、需給は緩和方向にあります。

図表2 福岡県における既存住宅の流通件数・価格の推移

図表2 福岡県における既存住宅の流通件数・価格の推移

資料:「市況動向データ」 (公社)西日本不動産流通機構を元に作成

平成28年4~6月期の平均成約価格は1,517万円で前年比プラス8.4%と、3年以上にわたる上昇が続いています。新規登録価格も同プラス9.5%と、平成25年から概ね上昇基調にあります。特に成約価格の伸びが目立ち、平成24年1~3月期の1,268万円から直近の4~6月期まで249万円上昇。平成27年以降は成約価格が新規登録価格を上回るなど、中古マンションに対する需要の強さがうかがえます。

中古戸建市場でも堅調な取引がみられ、平成28年4~6月期の成約件数は469件で前年比10.9%の2ケタ増となりました。新規登録件数は4,306件と前年比で14.8%増加し、12四半期連続で前年同期を上回っています。同じ期の成約価格は1,865万円で前年比11.6%上昇し、新規登録価格は2,016万円で同11.1%上昇しました。平成24年1~3月期と比べると成約価格は268万円上昇し、中古戸建市場でも需要の底堅さがみられます。

愛知県に比べて福岡県の価格水準は低いもののその伸びは大きく、取引量もマンション・戸建ともに増加が目立ちます。福岡県では福岡市を中心に人口流入が続いており、既存住宅市場でも活発に取引が行なわれています。一方、愛知県は住宅購入者の取得能力が高く、中古戸建取引にみられるように市場は安定しています。このように、大都市を抱える地域でもエリアによって違いがみられ、既存住宅の売り時・買い時を計る上でも地域の市場性を踏まえることが重要と言えます。

※1 公益社団法人 中部圏不動産流通機構(中部レインズ):中部地方の7県を対象に、事業者間で不動産流通物件の情報交換を行うために、国土交通大臣が指定した唯一の公益法人。
※2 公益社団法人 西日本不動産流通機構(西日本レインズ):中国・四国・九州地方の17県を対象に、事業者間で不動産流通物件の情報交換を行うために、国土交通大臣が指定した唯一の公益法人。

 詳しくは「(公社)中部圏不動産流通機構ホームページ」及び「(公社)西日本不動産流通機構ホームページ」を参照して下さい。



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