トップ不動産基礎知識:貸すときに知っておきたいこと>7.入居後の管理:7-1 入居後の管理業務のポイント

不動産基礎知識:貸すときに知っておきたいこと

7.入居後の管理7-1 入居後の管理業務のポイント

住まいを貸すに当たっては、適切な管理を行うことが大切です。まずは、賃貸にかかわる管理の全体像について理解しておきましょう。

ポイント1 管理業務の全体像を整理する

賃貸後の管理には入居者管理と建物管理に加えて、自らの資金管理も行う必要があります。
それぞれについて、いつどのようなことをしなくてはいけないかを把握しておきましょう。

 

入居者管理

建物管理

自らの資金管理

日常的に
やるべきこと
  • 賃料の管理
  • 苦情などの対応
  • 契約違反への対応
  • 建物の清掃やメンテナンス
  • 設備の修理
  • 賃料や委託費などの収支管理
  • 納税のための準備
更新時・退去時に
やるべきこと
○更新の場合
  • 更新手続き
○退去の場合
  • 退去時の立ち会い
  • 修繕箇所の確認、入居者との調整
  • 賃料や敷金その他の費用等の精算
  • 新たな入居者募集
  • 退去後のクリーニングや修繕
  • 敷金の精算などに伴う預り金の管理
  • 更新や退去に伴う収支の管理
長期的に
やるべきこと
 
  • 室内のリフォーム
  • 設備の更新
  • 建物の修繕
  • 長期的修繕にかかる費用の積み立て
ポイント2 入居者管理の実務

入居者管理には大きく分けて、以下の3種類があります。それぞれの業務を具体的に見ていきましょう。

(1)賃料の管理

指定した口座への賃料の入金確認を行います。もし、入金が確認できない場合には、借り主へ連絡をします。それでも、入金が確認できない場合には、滞納への対応を始めたほうがよいでしょう。
 「8-2賃料滞納への対応」を参照

(2)借り主からの苦情対応

借り主から苦情があった場合には、できるだけ早く対応することが大事です。住まいの賃貸では、設備などの故障や不備、近隣への苦情などが多くなっているようです。
 「8-1賃貸中の苦情対応」を参照

(3)更新や退去への対応(契約の管理)

契約期間の終了前後においては様々な手続きが発生します。

●借り主への意思確認
契約期間の終了が近づいた時点で、借り主に契約を更新するか退去するかの意思確認を行います。一般的には契約期間終了の半年前から3ヶ月前までに書類を送付して確認します。入居者管理を不動産会社に委託していない場合には、自分で書面を送付するなどの確認作業を行うことになります。

●更新の場合
賃料を変更するなど、更新に当たって何らかの書面を結ぶ必要がある場合には、その内容を記載した書面を準備します。そのほか、当初の契約書に基づいて、更新料の受け取りや借り主の保険契約の更新などが必要な場合は、これらの手続きも漏れなく対応する必要があります。

●退去の場合
退去時の立ち会いにより室内の状況を確認し、修繕などの原状回復の方針を決めると同時に、借り主との費用負担の割合を調整し、クリーニングや修繕などの作業を手配していきます。その後、賃料や借り主が負担する原状回復費用などと精算した上で敷金を返還します。
入居者管理、建物管理などを不動産会社に委託していれば、これらの手続きを代行してもらえる場合もありますが、原状回復をどこまで行うかなどについては、貸主に判断を求められることは少なくありません。原状回復は、トラブルになりやすい複雑な問題ですから、きちんとした知識を持って適切な対処ができるようにしておきたいものです。
 「6-3原状回復の取り決めについて」を参照

●新たな入居者募集
借り主が退去となった場合には、不動産会社に仲介を依頼するなどして、新たな入居者を募集します。

ポイント3 建物管理の実務

建物管理には、主に以下の3種類があります。

(1)日常的な清掃、その他のメンテナンス

住まいを貸す場合には、貸主が清掃などの建物の管理を行う必要はほとんどありません。ただし、それ以外の賃貸アパートなどでは、清掃や電球の交換などの日常的な業務を行う必要があります。不動産会社に建物管理を委託していない場合は、貸主が自らこれらの業務を行います。

(2)室内の修繕や設備その他の修理

入居中に設備に不備が生じたり、壊れたりした場合には、できるだけ早く対処する必要があります。また、借り主の退去時のクリーニングや修繕も必要となりますので、あらかじめ工事等を依頼する業者を整理しておきましょう。分譲マンションであれば、設備ごとに修理を依頼する業者が決まっていることもありますので、賃貸する前に管理組合や管理会社へ確認して、連絡先などが分かるようにしておきましょう。なお、入居者管理や建物管理を委託している場合には、不動産会社が対応します。

(3)室内のリフォームや設備の更新、建物の修繕など

長期的に賃貸する場合には、建物や設備の老朽化への対応も必要です。特に、住宅設備などは、耐用年数を過ぎると故障が増えたりする可能性があります。また、設備の仕様が陳腐化することにより賃料が下がることもあるので、定期的に更新することも検討しておくことが大事です。定期的な交換に当たっては長期的な修繕計画を立てておくとよいでしょう。

ポイント4 資金管理の実務

資金管理には大きく分けて、以下の4種類があります。資金管理には長期的な視点も必要な場合があります。

(1)日常的な収支の管理

賃料の入金に加え、管理会社等への支出やその他修理のための支出など、収支についてはすべて記録しておく必要があります。リフォーム代、修繕代といった金額の大きな支出以外に、保険料、交通費や通信費などの細かい支出も忘れずに記録して、確定申告に備えましょう。

(2)更新や退去時の収支の管理

契約の更新や退去の際には、更新料や新たな入居者からの礼金などの収入や、室内のクリーニングや修繕、新たな入居者募集にかかる仲介手数料などの支出などが発生します。また、敷金の返還などもありますので、しっかりと収支を管理する必要があります。

(3)確定申告

不動産収入を得た場合には、確定申告をする必要があります。
 「7-2確定申告をする」を参照

(4)修繕費・リフォーム費用等の手当て

長期的に賃貸する場合には、建物や設備の老朽化に対応するために、定期的な修繕や交換なども必要となります。また、空室対策としてリフォームを検討することも考えられます。そのためのお金をあらかじめ想定し、長期的な資金計画を立てておくとよいでしょう。

ページトップ