トップ話題の不動産キーワード>VOL.44 民泊新法(住宅宿泊事業法):民泊新法施行で普及が進むのか、ブレーキがかかるのか

話題の不動産キーワード

VOL.44「民泊新法(住宅宿泊事業法)」民泊新法施行で普及が進むのか、ブレーキがかかるのか 執筆:住宅ライター/大森広司

2018年06月20日

民泊に関する3つの制度比較

民泊に関する3つの制度比較(出典:国土交通省HPより抜粋)

民泊事業に大手も参入。
一方で規制強化の動きも

民泊新法の施行と前後して、事業への参入や新サービスの提供などが相次いでいる。セブン−イレブン・ジャパンとJTBは共同で、全国のコンビニエンスストアにチェックイン機を設置し、民泊の鍵の受け渡しや本人確認ができる事業に乗り出した。同様に民泊仲介大手の米エアビーアンドビーとファミリーマートが提携し、店舗で鍵の受け渡しができるサービスを開始。さらに宿泊予約サイトの楽天トラベルでは2018年秋にも民泊施設の掲載を開始し、ホテルや旅館と並んで民泊も検索対象に加える。


日本を訪れる外国人の数は2017年に約2800万人にのぼり、5年間で3倍以上に増えた。国では2030年までに訪日外国人を6000万人に増やす計画を立てており、新法による“民泊解禁”や民間サービスの広がりが民泊の普及につながるものと期待されている。


ただし、新法が逆に民泊マーケットにブレーキをかける懸念も指摘されている。最大のネックとされるのが、年間180日という営業日数の制限だ。これまで1年365日営業してきた民泊施設にとっては、営業できる日数が半分以下に減ることになる。そのため、国内で6万件以上あるとされる民泊施設が一時的に減少することは避けられないだろう。


さらに追い打ちをかけるように、自治体による規制強化の動きも広がっている。住宅地や観光地で環境を守ることを目的としているケースが多く、京都市では住宅地での営業日数の条件を年間60日に強化した。また特区民泊でサービスの導入を先行させた東京都大田区では住居専用地域での営業を全面禁止したほか、軽井沢町では観光客が多く訪れる5月と7〜9月に全域で民泊を禁じた。


マンション住民が独自に民泊を規制するケースも目立つ。分譲マンションでは管理規約に明記することで民泊を禁止することが可能となっており、新築物件では当初から管理規約で民泊を禁止するケースが広がっている。また既存マンションでも管理規約を改正し、明確に民泊を禁じる項目を追加する管理組合が増えている。


このように民泊をめぐっては新法施行により普及が進むとの見方がある一方で、規制が足かせになるとの懸念も少なくない。今後、民泊が本格的に根付くかどうかは、トラブルの 少ない健全な市場が整備されるかどうかにかかっていると言えそうだ。




ページトップ