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VOL.40「マンション標準管理規約改正」時代の変化に対応して、マンション標準管理規約を改正 執筆:住宅ジャーナリスト/山本久美子

2017年10月18日

役員の担い手不足に対する外部専門家活用のパターン例(出典:国土交通省の資料より抜粋して作成)

役員の担い手不足に対する外部専門家活用のパターン例(出典:国土交通省の資料より抜粋して作成)

役員の担い手不足、管理費滞納問題など
新たな課題に対応したルール整備

平成28年3月の改正は、高齢化等を背景とした管理組合の役員の担い手不足、管理費滞納等による 管理不全、災害時における意思決定ルールの明確化など、様々な新たな課題に対応してルールを整備することが目的だ。


改正点の大きなものとしては、第一に、外部の専門家を活用し、管理組合の役員に就任できる道を開いたことだ。管理組合は、理事長及び理事、監事などの役員で構成される理事会で、業務を遂行し、総会で意思決定をする。管理組合や役員は区分所有者に限定されていたが、役員の担い手不足解消のために、外部の専門家に役員を担わせる場合のルールが提示された。


原則として、管理組合の理事長がマンションの管理者となるが、例えば冒頭の図のような理事長や理事、監事などに外部専門家を入れる「(1)理事・監事外部専門家型または理事長外部専門家型」、外部専門家を管理者に選任し、理事会が外部管理者を監視する「(2)外部管理者理事会監督型」のほか、外部専門家を管理者に選任するが、理事会を設けずに総会が監視し、外部監査を義務付ける「(3)外部管理者総会監督型」などを提示している。


外部の専門家に任せきりにはできないので、管理組合として何らかの監督をする必要があるが、外部の専門家が継続的に役員としてかかわることで他の役員の負担を軽減させることができる。


また、管理費の滞納で費用が不足すれば適切な管理ができなくなることから、管理費滞納者に対して管理組合が取り得る措置について、フローチャートで分かりやすく提示した。 災害時の対応についても、災害時に損傷した建物の補修を応急的に行えるように、保存行為は理事長が単独で判断し、緊急修繕は理事会で決定すれば行えるようにしたり、災害時に緊急避難措置として専有部に理事長が立ち入ることができるようにしたりといった改正も行われた。


ほかにも、
・駐車場を公平に使えるような選定方法や外部貸しの場合の注意点の提示
・共用部分などに影響を与えるおそれのある専有部のリフォームに対して理事会の承認を必要とするなどの変更
・新築物件の議決権割合を住戸価値割合に連動させる選択肢の提示
・理事会の代理出席に関するルールの整備
・マンションの管理状況などの情報開示のルール整備
などが盛り込まれた。


また、マンションにおけるコミュニティ形成の重要性を明記する一方、コミュニティ形成のために管理費を使用する場合の範囲に制限を付ける改定も行っている。


このように、マンション管理のルールの雛型も時代の変化に対応して変わっている。それぞれのマンションでも、適切な維持管理が行えるように、規約改正なども視野に入れて見直しをしていく必要があるだろう。



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