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VOL.38「民法改正」瑕疵(かし)担保責任から契約不適合責任へ 執筆:住宅ジャーナリスト/山本久美子

2017年06月21日

買主が請求できる選択肢

民法改正で、売主の責任範囲(買主が請求できる範囲)が変わる

賃貸住宅を退去するときの
「敷金の原則返還」の明文化

賃貸借でもっとも多いトラブルが、退去時の敷金や原状回復に関するもの。これまでもトラブルを避けるために、国土交通省では判例などに基づいた「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を策定している。


改正された民法では、これを明文化する形で、入居後の損傷については、借主は通常の使用による損耗や経年劣化によるもの(貸主負担のもの)を除き、原状回復の義務(借主に原因のないものを除く)を負い、貸主は退去によって部屋を明け渡したとき、敷金を返還しなければならないとしている。


 「原状回復の基本的な考え方について詳しくは、「不動産基礎知識:借りるとき「8-3 原状回復の取り決めについて」を参照


改正後の民法では、通常損耗について借主に負担させるという賃貸借契約の特約も、具体的に双方の合意があれば有効としている。ただし、信義則に反して一方的に消費者の利益を害するような特約の場合は、「消費者契約法」の規制により無効になると考えられる。


賃貸住宅を借りる際の連帯保証人には過度な責任を負わせない

住宅の賃貸借の場合、借主が連帯保証人を立てるか、保証会社に保証料を払って保証してもらうか、が求められるのが一般的だ。


民法改正によって、連帯保証人が個人の場合には、極度額(保証する金額の上限額)を書面で合意する必要が生じ、極度額の記載のない連帯保証契約は無効になる。また、借主の保証内容が後から重くなった場合でも連帯保証人の負担は変わらないとするなど、連帯保証人が想定した以上の金額を請求されることのないように改正されている。これは、新規に契約する場合だけでなく、すでに交わした連帯保証契約の更新をする場合にも適用される。


さらに、民法改正後は、貸主は連帯保証人から請求があれば、借主の家賃滞納などの情報を提供する義務を負うことになる。


改正民法は、公布後3年以内に施行という少し長めの期間を取っているので、その間に、不動産の取引の際の契約について様々な見直しが行われることになるだろう。


監修:江口正夫弁護士



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