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VOL.19「開口部の断熱」住宅の断熱性能の決め手は窓断熱 執筆:住宅ジャーナリスト/林直樹

2014年4月16日

1999年にできた次世代省エネルギー基準を想定(窓はアルミサッシ・複層ガラス)した場合の熱の流出割合 ※数値については、一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会ホームページより引用

1999年にできた次世代省エネルギー基準を想定(窓はアルミサッシ・複層ガラス)した場合の熱の流出割合 ※数値については、一般社団法人日本建材・住宅設備産業協会ホームページより引用

ガラスに加え、サッシやドアの断熱で
屋内の温度差が少なくなる

窓のサッシも断熱する必要がある

複層ガラスを使っても、サッシ部がアルミだとその部分は断熱性が低いままで、結露も発生する。断熱性の高いサッシにはいくつか種類があり、アルミサッシでも内部にプラスチック片を挟んで、内外の縁切りをしているタイプは断熱性が高い。また、外側はアルミだが、内側をプラスチックにした複合サッシはより断熱性が高い。これらが断熱サッシとしてよく用いられているものだ。オールプラスチック、あるいは木製サッシとなると、断熱性もより高くなるが、価格も高くなる。特にプラスチックサッシは、寒冷地向けだ。

既存住宅に取り付けるときは「内窓」が手軽

こうした断熱サッシ+複層ガラスで窓は断熱できる。新築はもちろん、既存住宅をリフォームするときでもサッシ交換は可能だ。ただし、工事が大がかりになるので、より手軽な方法としては「内窓」の採用がある。サッシの内側にもう一つレールとサッシを設けるもので、既存の窓と内窓の間に空気層ができるので、複層ガラスと同じ効果が得られる。内窓にも単板ガラスのほか複層ガラスが採用でき、Low-E複層ガラスもある。

玄関ドア・勝手口ドアは、断熱材を装填し、複層ガラスを使った断熱ドアを採用することで断熱ができる。断熱ドアには断熱レベルがいろいろあり、断熱の地域区分に合わせたレベルのものを採用することが大切だ。

屋内の温度差が少なくなる

構造部に加えて開口部も断熱することで、冬場にヒンヤリする窓辺の不快感を避けられたり、結露を防止できたりするほか、部屋と廊下やトイレなどの温度差が少なくなり、ヒートショックの予防にもなるなどメリットが多い。今や、開口部の断熱は快適な住まいに欠かせない要素といってよいだろう。



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