トップ>話題の不動産キーワード>VOL.14 多世帯住宅:大家族の交流と生活ストレスに配慮した間取りや暮らし方が求められる
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2013年6月19日
2.5世帯住宅の3階建てモデル(写真提供/旭化成ホームズ)
多世帯住宅の基本タイプは3つ
多世帯同居住宅で、家族ごとの空間の取り方には様々なパターンがあるが、基本的には次の3つのタイプに分けられる。
(1)同居型・・・寝室などを除き、ほとんどのスペースを共有するタイプ
(2)一部共有型・・・プライベートスペースは分離させるが、玄関やリビングなど一部を共有するタイプ
(3)完全分離型・・・家同士を左右や上下階で完全に分離するタイプ
共有するスペースが多くなるほど、スペースが有効活用でき、建築費も抑えられるが、互いのプライバシーを保つためのルール作りなどの工夫が求められる。一方、完全分離型の場合、広い敷地や豊富な建築資金が必要となるが、プライバシーを尊重しやすく区分登記が可能になるなどのメリットもある。
大家族の交流とストレスへの配慮が求められる
先のパナホーム(株)の調査によると、「二世帯の関係が良好な空間」も「ストレスを感じる空間」も、玄関とリビングが上位になった。良好な理由は、「世帯ごとの交流ができる」こと、ストレスの理由は、双方のモノが集まることで「収納量が不足している」ことが挙げられた。 また、2.5世帯住宅を提案した旭化成ホームズ(株)では、家族全員で食事ができるビッグテーブルやシェアライブラリー、両世帯が使え柔軟に用途を変えられるどっちもゾーンなどを提案している。
これまで見てきたように、子世帯の所得の低迷を大きな要因とし、共働きの増加、非婚化や離婚率の上昇などから、家族における相互の助け合いが重視されるようになり、大家族同居が見直されている。多世帯住宅では、世帯間の交流を促す一方で、ストレスを軽減するための間取りや暮らし方の工夫が求められており、住宅業界では商品開発に力を入れているところだ。
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