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VOL.3 「一戸建ての免震・制震構造」一戸建ての耐震は、安定した地盤と強固な構造で

2012年6月20日

耐震、制震、免震構造の違い。林直樹氏作成

耐震、免震、制震構造の違い。林直樹氏作成

免震・制震構造は
安定した基礎に載ってこそ活きる

●土台の下部で揺れを吸収するのが免震構造

免震構造といえば、マンションやビルに採用されるものという印象があるが、一戸建ての免震装置もある。コンクリートのベタ基礎(地盤面全体にコンクリートを打つ基礎)の上にボールベアリングによる免震支承、ダンパーなどを装填し、その上に建物を支える鉄骨の架台が置かれ、そこに建物の土台が載る。こうして免震装置により地盤と建物の縁を切ることで、地震の揺れを建物にできるだけ伝えない構造だ。この構造の場合、大地震時に建物が倒壊しないばかりでなく、揺れが大幅に軽減されることによって軽微な損傷を防止できたり、室内の家具の転倒などによる事故を防止できたりする。揺れによるショックを軽減するという心理的なメリットも大きい。
ただし、基礎部分が安定していないと免震装置そのものが効果を発揮できないので、地盤によっては採用できないことがある。さらにコスト的な理由もあって、注文住宅でもあまり普及していないのが現状だ。しかし先に書いたようなメリットが大きいので、これからの普及に期待がかかっている。

●建物の構造部で揺れを吸収する制震構造

一方、制震構造は、免震と比べるとより簡便な方法で揺れを軽減できる仕組みとあって、徐々に普及しつつある。この構造は免震と違って、地震力は直接建物に伝わるが、伝わった力を構造部に設けた制震装置が吸収するというもの。いわばガチガチに固めた耐震構造のところどころに、力を抜く箇所を設けて、揺れを吸収する仕組みだ。この構造も安定した地盤、強固な耐震構造があって、効果を発揮する。揺れの軽減度合いは免震よりは少ないが、通常の耐震構造よりは揺れが少なく、大きなコストアップにもならないところが普及している理由だ。
制震装置は、建築会社によって様々な種類が採用されており、基本原理は変わらないが、その効果はまちまちだ。とはいえ、制震構造は耐震+αの性能を持つものと考えてよい。制震構造を採用している建築会社は多いので、物件も比較的見つけやすいだろう。制震構造を採用しているというだけでなく、地盤対策や住宅性能表示制度に基づく「耐震等級」も確認した上で総合的に判断することをお勧めする。

法律に基づき、住宅の性能を統一ルールで客観的に評価する任意の制度(詳細は、不動産基礎知識:買うときに知っておきたいこと:5-6「住宅性能評価書付き住宅とは」参照)



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